相続登記に期限はない!自分でできる相続登記のすすめ

父と子

「相続登記」をご存じですか?

私の父親が亡くなりました。
家族の悲しみの中、代々受け継がれてきた土地の名義を父親から母親に名義変更することにしました。

それが、「相続登記」といわれる手続きです。

私は、母親の代理として書類を作成し、法務局へ2、3度足を運び、「相続登記」の申請書を提出しました。

”え?「相続登記」って自分でできるものなの?”

と思われるかもしれません。

ぶっちゃけ、相続に関わる手続きはすべて自分でできます。

専門的な事がわからないとか、手続きをしている時間がないとか、それぞれ家庭の事情はあります。
そんな場合は、専門家に依頼すればいいだけです。

相続の手続きは、基本、自分でできます。

できる範囲だけでも自分でしてみましょう。

特に「相続登記」は、手続き期限もなければ、申請書の添付書類である住民票や印鑑証明なども、例えば申請の3か月以内のものでなければならないというような書類の有効期限もありません。

自分のペースで「相続登記」を行うことが可能なんです。

今回は、「相続登記」のすすめについてお話します。

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「相続登記」はいつも後回し?

親の写真

大切な人が亡くなる。

いつか誰にでも起こりうることです。

人が亡くなると、しなければならない手続きがたくさんあります。

相続の手続きの例

・死亡届の提出(期限は7日以内)
・相続人と相続財産の確認

・亡くなった方の所得税の申告(準確定申告といい、期限は4か月以内)
・銀行口座や不動産などの遺産の名義変更
・相続税の申告(期限は10か月以内)  など

実は、相続の手続きの中で、相続した不動産の名義変更(相続登記)がされていないケースが数多くあります。

法務省HPでは、その「相続登記」について次のように書かれています。

未来につなぐ相続登記

近時,相続した不動産について相続登記がされていないケースが数多く存在していることが、東日本大震災からの復興に関連して報道されるなど、相続登記が社会的な関心を集めていることを御存知でしょうか?
 相続登記が放置されているため、所有者の把握が困難となり、まちづくりのための公共事業が進まないなどのいわゆる所有者不明土地問題が顕在化しており、また、相続登記の未了は、適切な管理がされていない空き家が増加している大きな要因の一つであるとの指摘もされています。 

何故、「相続登記」がされないのか?

本来、不動産の所有者が亡くなられた場合、相続した所有者の「所有権の移転の登記」が必要です。
しかしながら、不動産の「所有権の移転の登記」は、相続などで所有者が変わっても名義変更の義務はありません。

大切な人を亡くした遺族は、悲しみの中、様々な慣れない手続きで疲労してしまいます。
そのような中で、手続き期限のない「相続登記」は重要視されず、後回しにされるか、放置されてしまうことが多いのです!

「相続登記」っていつ手続きしてもかまわないならいつだっていいじゃないか!

だって、誰も困らないんだから。

果たしてそうでしょうか?

所有者不明の土地はどのくらいあるの?

空き家

平成29年6月6日、法務省は、長年にわたり相続登記されていないまま放置されている所有者不明の土地について、初めて調査結果を公表しました。


次の表をご覧ください。

最後の登記から90年以上経過しているもの

最後の登記から70年以上経過しているもの

最後の登記から50年以上経過しているもの

大都市
(所有権の数:2万4360個)

0.4%

1.1%

6.6%

中小都市・中山間地域
(所有権の数:9万3986個)

7.0%

12.0%

26.6%

調査は、全国10地域を対象に11万8346人が所有する土地を抽出し、行われました。

その約11万筆の土地のうち、最後の登記から50年以上経過し、所有者が不明になっている可能性がある土地の割合は地方で26.6%あります。

地方では、4筆のうち1筆が所有者不明の可能性があるってことですね。

極端な話、日本の国土の4分の1が、誰のものなのかわからない可能性がある土地ということです。

スゴいですね。

冒頭でもお話しした通り、不動産の相続登記は、所有者が変わっても名義変更の義務はありません。

「相続登記」すなわち、不動産の名義変更の期限がないということです。

特に資産価値が低い不動産を相続した人は、面倒な相続登記をせず、亡くなった方(被相続人)の名義のまま放置することがよくあります。

自治体が空き家などの不動産登記を調べても本来の所有者がわからないケースも多いのはそのためです。

不動産の持ち主が亡くなられたら、必ず相続登記を!

家

私が「相続登記」をした理由は、2つあります。

一つ目の理由は、相続された土地はもともと亡くなった父親が売土地にしていました。今後、もし土地が売れる場合、亡くなった父親の名義のままでは、すぐに売ることができないからです。

二つ目の理由は、父親の子供は、私を含めみんな嫁にでてしまい、実家には後継ぎがいないからです。今のうちに所有者の名義変更をしておかないと次の相続の時にややこしくなる可能性がないとは言い切れません。

何かあったときにすぐに対応できるようにと「相続登記」を行いました。

すぐに相続登記をした場合のメリット

・不動産についての権利関係(誰の土地)が明確になります。
・相続した不動産を売却しようとしたときに、すぐに売却の手続をすることができます。
担保に入れて住宅ローンを組むことができます。

相続登記をしないで放っておくデメリット

・当事者(相続に関わる方)に所在不明の方などがいる場合、すぐに登記を含めた相続の手続をすることができず、相続分を確定することが困難となります。
・相続が2回以上重なると、誰が相続人となるのか、その調査だけで相当の時間が掛かり、相続登記の手続費用や手数料も高額となってしまいます。
・相続の手続に時間が掛かると、相続した不動産を売りたいと思ったときに、すぐに売ることができなくなるなど、思わぬ不利益を受けることがあります。

実は、実家の家の名義は、私が生まれる前に亡くなっている祖父(父親の親)のままでした。

さて、ここで問題です。

祖父(父親の親)の法定相続人は誰でしょうか?

ヒント:父親の法定相続人は、母親と子供です。
※法定相続人とは、民法で定められている相続人です。

法定相続人①

先ほどの問題、祖父(父親の親)の法定相続人は・・・

その答えは、祖母と祖父の子供、すなわち父親と父親の兄弟です。

法定相続人②

そして、祖父の子供である父親が亡くなっている場合は、その子供が法定相続人になります。

祖父からみて孫になります。

法定相続人③

気づきましたか?

私の母親は、父親の親である祖父の法定相続人にはなりません。

だからといって、家の名義を母親に変更することができないわけではありません。

家の名義を母親に変更するときは、①祖父の法定相続人すべてに了承してもらい、②住民票や戸籍謄本、印鑑証明書を役所で取得してもらい、③相続登記の申請書に実印を押してもらわなくてはならないということです。

今は、法定相続人である親戚とは交流がありますが、今後、自分の子供や孫の世代までになると、もはや誰が法定相続人になるのか、探すのに手間どってしまいます。

しかし、今回、実家の家に関しては、「相続登記」をしませんでした。


実は、実家の家がある土地は、今回相続された土地ではありません。


実家は、借りている土地の上に家を建てています。
将来、母親が亡くなった後は、実家を解体して土地を地主さんに返却するだけなのです。

実家の家は、近い将来になくなります。

そのときは、「この家は、もうありませんよ」という「滅失登記」の手続きをすればいいんです。

「滅失登記」には、法定相続人が関わることはありません。

だから今回はそのままにしました。

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まとめ

子供たち

「相続登記」の手続きはすべて自分でできます。

複雑な事情で専門的な事がわからないとか、そんな手続きをしている時間がないとか、それぞれ家庭の事情はあります。
そんな場合は、専門家に依頼すればいいだけで、基本は自分でしようと思えば何でもできます。

特に「相続登記」は、手続き期限もなければ、申請書の添付書類である住民票や印鑑証明なども、例えば申請の3か月以内のものでなければならないという有効期限もありません。

自分のペースで「相続登記」を行うことが可能なんです。

「相続登記」をほったらかしにしておくことは、将来自分の子供たちにも影響をおよぼす可能性があります。

自分が亡くなった後に、子供がトラブルに巻き込まれて、「なんで、ちゃんとしておいてくれなかったの?」なんて言われたくありません。

子供をはじめ、家族に安心して過ごしてもらうように自分でできることをしましょう!

法務省HPでは、「相続登記」を呼び掛けています。

自分の権利を大切にするとともに、次世代の子どもたちのために、未来につながる相続登記をしませんか?


・相続登記に関するお問い合わせは、お近くの法務局(法務局のページが開きますへ。
・相続登記申請の様式は、こちらへ。

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