国語の点数が低い。
算数の計算は解けるが、文章問題は苦手。
うちの子、国語力がないのかしら?
不安になります。
「わかった?」
「わかったって!」
子供は「わかったから何度も言わないで」というが、何度も同じことを繰り返す。
ちゃんとわかっているのかしら?
わが子の理解力がどのくらいあるのか?
理解力を高めるにはどうしたらいいのか?
今回は、そんな悩みをもった私が、1冊の本と出会い、子供の理解力を高めるためにどのようなことをはじめたのかというお話をします。
理解力があるかないかはどう見分ける?
理解度を確認するのに有効な方法は、「言い換え」ができるかどうかです。
「わかった?」
「わかったって!」
ではなく
「今、私が頼んだことを言ってみて」
「えーっと・・・」
そのとき、言葉が出てこない場合は、大抵、「わかった」と言っていても頼まれたことを全部できていません。
頼まれた内容を自分の中に落としこんでいないからです。
例えば、英語の授業では、「study」=「勉強」というように、英語を日本語に言い換えて覚えていきますよね?
算数の文章問題では、「ミカンが10個ありました。3人の子供が同じ数を食べたら残りはいくつですか」=「10÷3=3余り1 よって1個残る」というように、足すのか?引くのか?かけるのか?わるのか?文章問題の内容を公式に変換しますよね?
日々の生活の中で、「言い換え」の習慣を体得していると、聞いたことや学んだことを理解し(インプット)、自分の言葉で伝えられる(アウトプット)ことができるようになります。
理解力を高める「言い換え」トレーニング3ステップ
「言い換え」の習慣を体得って具体的にどんなことをするといいのでしょうか?
「言い換え」トレーニングを推奨している本を本屋さんで見つけました!
「国語が得意科目になる『お絵かき』トレーニング」 著 坂本聡
この本には、”「言い換え」の習慣を体得していることが、国語ができる、いや、すべての科目において、応用がきく生徒の特徴”だと書かれています。
理解力を強化する「言い換え」トレーニング
ステップ①「絵訳」:一番大切なところを考える習慣をつける!
ステップ②「マンガ作文」:文中の言葉を別の言葉に書き換える!
ステップ③「要約」:文の主旨を自分の言葉で言い換える!
3つの「言い換え」習慣の体得の仕方を紹介しています。
1つずつ簡単に紹介していきますね。
ステップ①「絵訳」:一番大切なところを考える習慣をつける!
「絵訳」とは、「絵から文」「文から絵」への翻訳練習をすることです。
「絵から文」にしても、逆にしても、わからなければ説明できません。
「わかる」という感覚と「わからない」という感覚をそれぞれ身につけていきます。
また、「言葉を絵にする」「絵を言葉にする」という形で言い換える「媒体変換」は、理解を深めるための大切な習慣です。
この習慣を持つことで、文を読んだ時に、自然とその情景を想像できるようになります。
「絵から文」
具体的な物事を使い、理解の確認を行います。
最初は、 わかりやすい背景のある一つの物事(例えば、「空に太陽と雲」)を説明するところから始めます。
そして、少しずつ、複数化、複雑化していきます。 絵の中だけでは完全には説明しきれない、前後の文脈や、背景のあるものまで進んでいきます。
「文から絵」
具体的な物事を使い、それを絵として説明していきます。
最後には、簡単なストーリーの中で大切なシーンを絵にするところまで進めていきます。
~この段階で身に付けられること~
・「わかる・わからない」をはっきり表明できる習慣をつける
・説明の方法を学ぶ
・一番大切なところを考える習慣をつける
ステップ②「マンガ作文」:文中の言葉を別の言葉に書き換える!
次に、四コマ漫画や八コマ漫画、そして随筆に近いような短編を200字程度の文章で説明していきます。
はじめは、四コマや八コマ漫画でしてみます。
四コマや八コマ漫画はオチがあるものが多いので、また場合によっては文章でいかに漫画的なオチを表現するかを工夫するなど、様々な勉強法に繋がっていきます。
一つのストーリーとして、必要な部分、不要な部分を選別し、また背景となっている絵や言葉で出てくるセリフをいかに組み合わせて適切な説明をするかを練習していきます。
ある程度できたところで、オチのある短編に進みます。
その後は、随筆のように日常を書いたものの一部分を言い換える練習をします。
「言い換えの練習」です。
その時には純粋に、とにかく別の言葉に置き換えてもらいます。
書き換えたものがどこまで別の言葉になっているかを見ていきます。
~この段階で身に付けられること~
・文中の言葉を別の言葉に書き換えること
ステップ③「要約」:文の主旨を自分の言葉で言い換える!
物語文や論説文を要約していきます。
前のステップの「言い換えの練習」では、文中の言葉をいかに言い換えるかでしたが、ここからは、文の主旨をいかに自分の言葉で言い換えるかを重点に置きます。
最後に、それを要約文として50字と200字、2通りでまとめてもらう練習をします。
出来る限り、自分の言葉で書いてもらいます。
自分の言葉ではなく、文中の言葉を使っている限り、大切そうなところを意味もわからず、抜き書きするという方向に流れてしまいがちだからです。
自分の言葉に置き換えることで、端的に結論やその理由を表現する習慣がついていきます。
~この段階で身に付けられること~
・文の主旨を自分の言葉で言い換えること
このように、「自分の言葉で言い換える」トレーニングを徹底して行うことで、理解力をつけることになります。
国語の読解問題についても、理解力がついていくことで、本文の内容理解を正しく進められるようになるため、確実に解けるようになっていきます。
そして、「理解する」ということの意味を正しく実感することで、算数の文章題や、中学高校で難しくなっていく各科目の勉強も自ら進められるようになるのです。
言葉を増やす、型を知る
「言い換え」習慣を体得していくために、基盤となるのは、「語彙力」です。
小学校低学年から高校、大学に至るまで、常に言葉を増やしていくことが必要です。
「語彙力」が必要な3つの理由
・理解力を上げるため
・表現を豊かにするため
・考える基盤を築くため
言葉を増やすには、特に幼いうちは、経験と想像力の刺激がカギとなります。
漢字を覚える、ワークをやるという机上の勉強だけでなく、日常の経験が重要です。
・兄弟間での遊びや喧嘩
・両親や学校の先生、 友達との会話やぶつかり合い
・部活動や各種習い事
全ての経験は、言葉を増やし、知識を積み上げていく土台となります。
また、想像力を養うための読み聞かせや読書も大切な役割を果たします。
大切なのは、ただ言葉を覚えることではなく、 何かと結びつけながら言葉を増やしていくことです。
そのために、日々の学習においては、名作の音読、全文書き取り、漢字や言葉の勉強、新聞記事などの読解を行います。
特に、 音読や全文書きとりでは、言葉だけでなく、文の型を知り、身につけることができます。
30年前に中学校が取り組んでいた「言い換え」習慣
私が中学生のころ、夏休みの宿題で、各科目の問題集が学校から配られました。
普通に問題集をするだけでしたが、理科だけ変わったやり方を先生からいわれました。
問題集をそのままするのではなく、ノートに答えを書き、その横に「なぜ、その答えにしたか」を書くというやり方でした。
例えば、顕微鏡の名称
答え:「接眼レンズ」
理由:「顕微鏡の一番上にある目をあてて観察するレンズだから」
答えの意味を書く訓練。
問題集の答えを別の言い方で表現する「言い換え」をしていたんです。
今思えば、自分が出した答えとこの答えを導き出した理由を結び付ける覚え方だったんですね。
その手法は、夏休みの宿題だけではなく、理科の実力テストの直しの際もおこなっていました。
当時、田舎の中学校でありながら、理科だけは県内トップレベルだったと聞いています。
「言い換え」習慣ができていれば・・・
私は、人の話をきちんと聞かない子供でした。
正確にいうと、聞かないのではなく、聞いてはいるが、頭に正しく入ってこないんです。
人の話を聞いていると、相手がすべて言い終わる前に、「あ、こういうことをいいたいのかな?」と勝手に納得し、話の後半は、自分の解釈を先行させた聞き方になります。
ですから、話の後半があまり頭に入ってこないんです。
典型的な「わかったつもり」ちゃんでした。
私の子供も似た傾向があります。
「みんなと同じように勉強しているのに」
「先生の言っていることがわからない」
「授業で手をあげれない」
子供がそんなことを言いはじめたので、子供の理解力を上げるキッカケをつくれたらと思いました。
この「国語が得意科目になる『お絵かき』トレーニング」という本に出会い、子供と一緒にしてみることにしました。
ただ、私と似た傾向である子供は、「楽しくない!」とすぐに拒否しました。
もうすぐ小学6年生になろうとしている子供には、「絵から文へ」「文から絵へ」といった取り組みはじめるのが遅すぎたのかもしれません。
子供と話し合って「親子交換(絵)日記」をつけてみることにしました。
まずは、一歩前進です!
【追記(2018.10.7)】
その後、「親子交換(絵)日記」も続きませんでした。
せっかくいい本を読んだのに、本のとおりに実行できない!
親として子供の理解力を高めるためにどうしたらいいのか悩みました。
子供の行動パターンをみていると、教科書(マニュアル)どおりにするのがどうやら苦手のようです。
こんな本を買ってきたから一緒にやってみよう!
ではなく、
普段の子供との会話の中で「言葉から絵(イメージ)に」「絵(イメージ)から言葉に」の置き換えを積極的に取り入れるようにすることにしました。
まとめ
わが子の理解力がどのくらいあるのか?
理解力を高めるにはどうしたらいいのか?
【理解力があるかないかを見分ける方法】
理解力があるかないかを見分ける有効な方法は、「言い換え」ができるかどうかです。
頼み事をした場合、子供が頼んだ内容を分かっているか、「言い換え」させて確認してください。
【理解力を高めるトレーニング】
理解力を高める方法は、「自分の言葉で言い換える」トレーニングを徹底して行うことです。
理解力を強化する「言い換え」トレーニング
ステップ①「絵訳」:一番大切なところを考える習慣をつける!
ステップ②「マンガ作文」:文中の言葉を別の言葉に書き換える!
ステップ③「要約」:文の主旨を自分の言葉で言い換える!
【理解力を高めるトレーニングの基盤となる語彙力】
「言い換え」習慣を体得していくために、基盤となるのは、「語彙力」です。
「語彙力」が必要な3つの理由
・理解力を上げるため
・表現を豊かにするため
・考える基盤を築くため
このように、「自分の言葉で言い換える」トレーニングを徹底して行うことで、理解力をつけることになります。
本来、理解力を高める訓練は、日常生活の中で行われていくものです。
しかし、子供も大人も、昨今の情報量の多さに疲弊してます。
だから、見たこと、聞いたこと、読んだこと、すべてを素直に情報として受け取り、そのまま印象に残ることなく過ぎていくのではないでしょうか?
もう少し、ゆっくり歩んでいきたいものですね。
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