社会人の約3割が「キャリアアップや自己研鑽の目的で勉強をしている」と言われています。
多忙な社会人は、朝と夜どちらに勉強するべきでしょうか。
実は、多くの社会人が朝に勉強することを習慣化しています。朝に勉強することには脳科学的にも効果があるからです。
本記事では、朝に勉強するとどんな効果があるのかと早起きするための工夫をご紹介し、早起きが体質に合わないという人に向けたアドバイスもお伝えします。
自分なりの勉強スタイルを見つけたら、やる気がアップすること間違いなしです!
社会人の勉強は朝がゴールデンタイム!
起床して3時間くらいまでの間は「脳のゴールデンタイム」と言われれています。
早朝は、睡眠明けということもあり、脳が一旦リセットされた状態です。一日働いた後の仕事終わりの時間と比較しても、睡眠をとった後は身体の疲れが回復しているだけでなく、脳内がスッキリと整理されています。
朝のうちに睡眠状態から覚醒へと脳がシフトしていく過程で、脳内にドーパミンやアドレナリンが分泌されます。これらの脳内物質は勉強をする際に有効に作用し、思考力や論理力を問う課題に取り組むのに役立つことが脳科学研究でもわかっています。
また、ご家族やご近所さんがまだ起きていない朝の時間帯は、雑音や邪魔も少なく、LINEやメールもきません。
集中的に勉強する朝の時間は、まさにゴールデンタイムとも言えるのです。
社会人の勉強は朝がいい!早起きするための5つの工夫
社会人が勉強するのに朝がいいと言っても、早起きが苦手という人もいます。
ここでは、早朝に目覚めをよくするための効果的な活動を5つご紹介します。
多くの人が実践し、効果があると言われている活動ですので、自分ができそうなことから始めてみましょう。
朝日を浴びる
社会人が早起きするための1つ目の工夫は、「朝日を浴びる」ことです。
朝起きてすぐカーテンを開け、朝日を15秒ほど浴びましょう。太陽光を浴びることで脳内でセロトニンが分泌され、目覚めのスイッチが入ります。そうすることで、朝に勉強するための脳の準備が整います。
ストレッチをする
社会人が早起きするための2つ目の工夫は、「ストレッチをする」ことです。
例えば、ベッドの中で手足を伸ばす、手の指、足の指を握ったり開いたり(グー、パー運動)をするなどのストレッチをするだけで、血行が促進され目覚めが良くなります。
シャワーを浴びる
社会人が早起きするための3つ目の工夫は、「シャワーを浴びる」ことです。
朝のシャワーは体温を上げる効果があるだけでなく、水圧による肌の刺激が血行を促進してくれるので、目覚し効果があります。
二度寝しない
社会人が早起きするための4つ目の工夫は、「二度寝しない」ことです。
枕元に目覚まし時計を置いておくと、アラームを切ったあと、つい二度寝してしまうことがあります。二度寝を防止するために、ベッドから離れた場所に目覚まし時計を置いておくのは効果的です。
軽い運動をする
社会人が早起きするための5つ目の工夫は、「軽い運動をする」ことです。
ストレッチと似ていますが、もう少し動くことで身体を覚醒させます。例えば、ゴミ出しをしたり家の周りを1周したりするだけで軽い運動になり、眠気を覚ます効果があります。
社会人の勉強が朝よりも夜がいいという人もいる
社会人の勉強は朝のほうが良いというお話をしましたが、社会人の中には朝よりも夜がいいという人もいます。
残業が多い人やシフト制の人など普段の働き方によっては、朝早く起きて勉強することが無理な場合もあるからです。
社会人の勉強が朝よりも夜がいいという人の理由を2つ紹介します。
残業などで早朝に起きれないから
社会人はいつも定時に職場を出られる人ばかりとは限らず、残業があることもあります。
残業があった日は、早朝の時間を有効利用したいと思っていても、朝起きるのが辛く、ギリギリまで寝ていたいという経験はあるでしょう。
厚生労働省の調査によれば大人の平均の睡眠時間は、6時間から7時間の間だと言われています。
その中間値をとって6.5時間の睡眠時間を確保すれば十分な睡眠が取れると仮定しましょう。それだけの睡眠時間を確保して、早朝5時に起きて勉強をしようとすれば、22時半に就寝しなければなりません。
帰宅後、リラックスする時間をとりつつ、食事や入浴、歯磨きなどを済ませるとしたら22時半に就寝するのはけっこう大変なことです。
早朝起きることよりも、お風呂上りの30分など軽く勉強し、しっかり寝て他の日に勉強を多くするなど、上手く調整するとよいでしょう。
仕事中に眠くなってしまうから
社会人は学生のようにいつも規則正しく生活を送れるわけではありません。
例えばシフト制の人が、朝に勉強するのがいいからと無理をして早起きし続ければ必要な睡眠時間を削ることになり、日常生活への弊害は否めません。
睡眠時間が不足することによって集中力、判断力、記憶力が低下し、昼間の仕事のパフォーマンスはどうしても下がってしまいます。
昼間の仕事のパフォーマンスを上げるため、お昼休憩などに仮眠をとると効果的ですが、もともと体質的に朝が弱い人が無理をして早起きしているのであれば効果的とは言えません。
クロノタイプ診断で自分にとってベストな勉強時間帯を見つけよう!
朝に勉強することには脳科学的にも効果があることはわかっていますが、必ずしも朝に勉強時間を確保することがベストとは限りません。
実は、生まれつきの体質や遺伝子の多様性、個人差があります。
自分が勉強するタイミングが朝型なのか?それとも夜型なのか?人によって異なることが最近の研究から分かっており、活動に適しているタイミングの傾向を「クロノタイプ」と呼びます。
自分は朝型?夜型?クロノタイプ診断をしてみよう!
クロノタイプはほぼ遺伝的に決まると言われ、私たちは知らないうちに体内時計に影響を受けながら生活しています。
独立行政法人国立精神・医療センターの研究部によると、朝に活動することが適さない人が、夕方以降になると活力が増し、集中力が上がるということがわかっています。また、体内時計が違えば活動しやすい時間帯がずれるし、睡眠作用があるメラトニンという脳内物質が出るタイミングも夜型の人の方が遅いことも発表されています。【参照】独立行政法人国立精神・医療センターの研究部(https://mctq.jp/about/)
自分のクロノタイプが朝型なのか、夜型なのか判別することは、自分に合った勉強時間を知るためにとても有益です。まず、自分にとって集中しやすい時間帯を見つけるために、朝や夜に勉強してみて、達成感や充実感が得られるのはどちらなのかを実験してみるとよいでしょう。
自分にとって最も勉強しやすい時間帯が見えてくれば鬼に金棒です。合わせてクロノタイプ診断をしてみると実態と診断に基づいた時間帯はわかるので、さらに効果的に勉強することができます。
こちらにクロノタイプの診断ができるサイトをご紹介します。
https://questi.jp/diagnoses/commons/chronotype
(株式会社Questiキャリアを作る、人生を変える)
クロノタイプの診断をしてみた!
自分のクロノタイプが朝型なのか、夜型なのか判別するために、早速、クロノタイプの診断をしてみました。
筆者は、夜になるとやる気が出るオオカミタイプでした。
普段の筆者は、朝に何かをやろうとすると調子があがらず、眠気を飛ばすのに精いっぱいで、ほとんど集中することができません。無理をして朝早起きした日は日中の仕事がはかどりません。
早朝にすっきり目覚めて活動がスタートできない自分は怠け者なのではないかと思っていたのくらいなのですが、夕方以降は頭が冴えて、勉強や仕事を効率よくこなせることがわかりました。
クロノタイプ診断の結果からも、今まで早朝の活動が向かないと思っていた理由がはっきりしました。
朝と夜で勉強のスタイルを区別する
クロノタイプはわかったけれど、朝も夜もどちらも有効利用したい人もいるでしょう。
その場合は、両方の時間帯を上手に活用してみましょう。明光義塾では受験生たちに朝と夜で勉強スタイルを変える指導しています。
朝は「思考力やひらめきが求められる応用問題」に専念し、夜は「暗記を中心としたインプット作業」に力を入れるということですね。受験生の学習方法は社会人の学習にも適用できるのではないでしょうか。
夜の間に複雑な思考を要求されるような学びをたくさんすると、アドレナリンが出て寝つきが悪くなってしまい、結果として効率が悪くなってしまいます。ただし、自分のクロノタイプが夜型の場合は、朝よりも夕方以降に思考力が働くでしょう。
朝と夜で様々な勉強スタイルを実験的に取り入れて比較してみると、自分にとって最適なやり方が見えてくるはずです。
まとめ|社会人の勉強は朝と夜で上手く使い分けよう!
社会人にとって朝型の勉強は、睡眠明けということもあり、脳が一旦リセットされた状態なので非常に効果があります。
しかし、朝に起きることが難しい人は無理をしないことが一番です。生活リズムや体質に合った時間帯を選び、自分に合った勉強スタイルを確立することが近道です。
社会人の勉強の成功の秘訣は、仕事に影響が出ないよう範囲で継続していくことこそが「力なり」なのです。
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