5万円以上の商品販売代金の領収書には、印紙が必要になります。
領収書に印紙を貼られた後に、割印がされているのはご存じですか?
割印とは領収書と印紙の間に押された判子のことです!
本記事では、印紙の割印は一体何のためにあるのか?印紙の割印はどんな形でもいいのか?など社会人として知っておきたい印紙の割印のお話をします。
割印は、印紙を納付しましたよ~という意味
印紙は、印紙税という税金です。
領収書を発行した人が印紙と領収書にかかる形で割印を押すことで印紙税の納付をしたことになります。
「印紙を買ったときにお金を払ったけど、割印の時に印紙税の納付ってどういうこと?」
印紙を購入するときお金を払いますが、この時点では、税金の仮払いしたことになり、割印を押したときに、印紙税の納付になります。
印紙の割印・・・印紙税の納付
割印をすることは、消印になります。
消印とは、「使用済み」という意味です。
印紙の再利用の防止をするための消印なのです。
「使用済み」にしないと納付したことにならないんですね。
何だか不思議な感じです。
割印ってどんなふうにすればいい?
割印をすれば印紙税を納付したことになるといいますが、実際はどんなふうにすると割印にあるのでしょうか?
国税庁のHPに印紙の消印の方法(割印の仕方)が次のように載っています。
印紙の消印の方法
【照会要旨】
契約書などに印紙を貼った場合には消印をすることとされていますが、この消印は契約書などに押した印で消さなければなりませんか。また、契約者が数人いる場合には、その全員で消印をしなければいけないのでしょうか。【回答要旨】
印紙税の課税対象となる文書に印紙を貼り付けた場合には、その文書と印紙の彩紋とにかけて判明に印紙を消さなければならないことになっています(法第8条第2項)。そして、印紙を消す方法は、文書の作成者又は代理人、使用人その他の従業者の印章又は署名によることになっています(令第5条)。このように、消印する人は文書の作成者に限られておらず、また、消印は印章でなくても署名でもよいとされているところから、文書の消印は、その文書に押した印でなくても、作成者、代理人、使用人、従業者の印章又は署名であれば、どのようなものでも差し支えありません。
ところで、消印は印紙の再使用を防止するためのものですから、それに使用する印章は通常印判といわれているもののほか、氏名、名称などを表示した日付印、役職名、名称などを表示したゴム印のようなものでも差し支えありません(基通第65条)。
署名は自筆によるのですが、その表示は氏名を表すものでも通称、商号のようなものでも構いません。しかし、単に「印」と表示したり斜線を引いたりしてもそれは印章や署名には当たりませんから、消印したことにはなりません。
また、印紙は判明に消さなければならないこととされていますから、一見して誰が消印したかが明らかとなる程度に印章を押し又は署名することが必要であり、かつ、通常の方法では消印を取り去ることができないことが必要です。したがって、鉛筆で署名したもののように簡単に消し去ることができるものは、消印をしたことにはなりません。
次に、消印は印紙の再使用を防止することを目的とするという趣旨のものですから、複数の人が共同して作成した文書に貼り付けた印紙は、その作成者のうち誰か1人の者が消せばよいことになっています。例えば、甲と乙とが共同して作成した契約書については、甲と乙の双方が消印しても甲と乙のどちらか1人が消印しても差し支えありません(基通第64条)。
うーん、読むだけでもいいけど、ちょっと言葉がむずかしい・・・
ということで、領収書に貼る印紙のことについて、簡単に表にしました。
疑問 |
回答 |
いつ割印すればいい? |
領収書に印紙を貼ったとき |
どこに割印すればいい? |
領収書と印紙の彩紋にかかる形で |
誰がしていい? |
領収書を書いた人、書いた人の代理の人、従業員など |
どんなふうに割印すればいい?
|
印章または署名 |
ダメな書き方はある?
|
印章または署名にならないもの 簡単に消せるもの |
「どんなふうに割印すればいい?」の印章または署名の事例
上表の「どんなふうに割印すればいい?」の印章または署名の事例を2つ紹介します。
例① 判子
例② 手書きの氏名、通称、商号
「ダメな書き方はある?」の印章または署名にならないものの事例
上表の「ダメな書き方はある?」の印章または署名にならないものの事例を2つ紹介します。
例① 「印」という表示
例② 斜線
「印」という文字や、斜線をつけるだけでは、割印になりません。
さらに「手書きの氏名」であっても、消えるボールペンや鉛筆で印紙の割印を書いてもいけないんですね!
気をつけなくてはなりません。
領収書に印紙を貼って割印する前に、間違いに気づいたときは?
印紙を貼ってしまっただけなら、印紙は再利用できます。
印紙の裏には、ノリがついています。
領収書に貼ってしまった後に間違いに気づいたときは、周りを切り取り、水につけてノリがはがれるのを待ちます。
印紙が領収書の紙からはがれたら、乾燥させて再利用します。
間違って印紙に割印した場合は、再利用できるかな?
間違って印紙に割印した場合は、再利用できるでしょうか?
「印紙の割印=印紙税の納付」
残念ながら、領収書に貼った印紙に割印した後は、再利用できません。
税務署に印紙税の還付請求をします。
国税庁のHPによると、領収書の印紙税の還付の対象となる場合は、3つ挙げられます。
- 印紙税の納付の必要がない領収書に誤って印紙を貼り付け、割印を押した場合
例:領収書が5万円以上ではないのに印紙を貼ってしまった場合 - 印紙を貼り付け、割印を押した領収書で、損傷、汚染、書損その他の理由により使用する見込みのなくなった場合
例:領収書に金額を書く前に印紙を貼ってしまい、その後、金額などを書き間違いした場合 - 印紙を貼り付け、割印を押した領収書で、過大な額の印紙税をはってしまった場合
例:200円の印紙でいいのに、400円の印紙を貼ってしまった場合
ただし、印紙税の還付を受けるためには、印紙税を間違えてしまったことがわかるようにその印紙を貼った領収書を提示することになっています。
ですから、間違えたと思って領収書からはがした印紙では、印紙税の還付は受けられません。
【印紙税の還付方法】
印紙税法による還付を受ける場合には、次の3つのステップが必要です。
- 「印紙税過誤納確認申請書」に必要事項を記入します。
※国税庁のHPから印刷できます。
印紙税過誤納確認申請書(PDF形式)←ここから申請書がPDFで出せます。
- 納税地の税務署長に提出します。
※この場合の納税地は、文書の種類や記載内容などによってそれぞれ異なる場合があります。領収書は発行した場所の最寄りの税務署になります。 - 銀行口座振込あるいは郵便局を通じて還付金の送金されます。
※還付金を受け取るまでに若干の日数がかかります。
印紙税の還付請求ではありませんが、未使用の収入印紙は郵便局で他の額面の収入印紙と交換できます。
この場合、郵便局に提出する収入印紙1枚につき5円の手数料がかかります。
なお、収入印紙を現金に交換することはできませんのでご注意くださいね。
交換に5円かかるのは切手とハガキと同じですね!
まとめ
印紙の割印は「印紙税の納付」を意味します。
割印の仕方Q&Aは、次のとおりです。
疑問 |
回答 |
いつ割印すればいい? |
領収書に印紙を貼ったとき |
どこに割印すればいい? |
領収書と印紙の彩紋にかかる形で |
誰がしていい? |
領収書を書いた人、書いた人の代理の人、従業員など |
どんなふうに割印すればいい? |
印章または署名 |
ダメな書き方はある? |
印章または署名にならないもの 簡単に消せるもの |
領収書に貼ってしまった後に間違いに気づいたときは、周りを切り取り、水につけてノリがはがれるのを待ちます。
印紙が領収書の紙からはがれたら、乾燥させて再利用できます。
間違って印紙に割印した場合は、税務署に還付請求ができます。
還付されるまでに日数がかかるので、なるべく間違わないように気をつけましょう!
私は、社会人1年生のころ子供服販売員をしていました。
領収書を書くことは知っていましたし、当時は3万円以上の領収書の金額には印紙が必要だと教わっていました。
しかし、割印のことは知らず、お客様にご指摘をいただき恥ずかしい思いをしたことがあります。
会社では何でも教えてもらえるわけではありませんし、何でも教えてもらえる気持ちでいてはいけません。
新しいことを知ったとき、習ったときは、関連する内容も調べてみるのも、社会人としての心得ではないでしょうか?
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