昨今のデジタル化で、勉強の際にも電子書籍を使う方も多いのではないでしょうか。
電子書籍での勉強は、持ち運びや取り扱いが便利な反面、紙の本とは違い「勉強しにくい」と感じる方もいるようです。
確かに電子書籍には紙の本とは違った特徴があるため、慣れない人にとってはそう感じてしまうかもしれません。
しかし、電子書籍で勉強をしやすくするための工夫をおこなえば、問題なく勉強を進めることができます。
この記事では「電子書籍が勉強しにくい」と言われている理由について解説します。
デジタル化が推進されている現代において、今後さらに電子書籍のシェアは広がっていくでしょう。
その波に乗れるように、この記事で電子書籍の勉強法についても学んでみてください。
電子書籍が勉強しにくい5つの理由
それではさっそく、電子書籍が勉強しにくいと言われている理由を見ていきましょう。
電子書籍と記憶の関連性についての研究結果なども参考にしながら、5つの理由について詳しく解説します。
①記憶や理解面で紙の書籍に劣る
2012年に小林亮太氏らによって発表された研究「表示媒体が文章理解と記憶に及ぼす影響―電子書籍端末と紙媒体の比較―」では、36名の被験者が、電子書籍(iPad)と紙の書籍で、主観評価および読み速度、記憶テスト、理解テストの結果を比較しています。
この研究は「小説のような文学的文章」「参考書などにみられる説明的文章」2種類の文章を被験者に読ませ、その違いを検証したものです。
文字にすると難しいですが、要は紙の書籍と電子書籍で「小説のような文章」と「参考書などの文章」2種類の文章を「読み」「記憶」「理解」の3つの点で比較した研究ですね。
この研究の結果、読みやすさの面では電子書籍はすでに紙の書籍と変わらないことが分かりました。
読み速度、記憶テスト、理解テストそれぞれの結果は以下です。
【記憶テスト】「参考書などの文章」は、紙の方が記憶しやすい
【理解テスト】「小説のような文章」、「参考書などの文章」ともに紙の方が理解が早い
読み速度では電子書籍が速かったのですが、勉強に欠かせない「記憶」「理解」では、紙の書籍の方がしやすい、という結果でした。
そのため、現時点では紙の書籍の方が勉強しやすいと言えるでしょう。
しかし、この研究に参加した方は「首都圏および地方の国私立大学 5 校の学部生及び大学院生 36 名(男性 18 名、女性18 名、平均年齢 21.4 歳)」です。しかもその中で電子書籍を読んだことがある人は7名だけでした。
つまり、29名は電子書籍を読んだことがないため、慣れていない電子書籍での「記憶」や「理解」が難しかった、ということも十分考えられます。
これまで紙の書籍で勉強してきた世代にとっては、電子書籍での勉強は難しいと感じてしまうのかもしれませんね。
【参考】表示媒体が文章理解と記憶に及ぼす影響-電子書籍端末と紙媒体の比較-(https://cir.nii.ac.jp/crid/1574231876790108672)
②睡眠の質が下がる可能性がある
スマホやタブレット端末から発せられるブルーライトによって、「睡眠の質が下がってしまう可能性がある」というのは有名な話かと思います。
眠気を誘うメラトニンという物質がブルーライトによって抑制され、眠りにつくまでの時間が通常よりも長くなってしまうのです。
これによって「十分な睡眠が取れない」「睡眠の質が悪い」といった現象が起こり、記憶を定着させるために必要な「良質な睡眠」が取れないことも起こり得るでしょう。
③五感への効果が薄い
記憶は、五感への刺激によって定着しやすいと言われています。
紙の書籍は指でページをめくりますよね。
それに対して電子書籍は画面をスライドするだけです。
たったこれだけのことですが、より直感的な動作をおこなうことで記憶が定着しやすいと考えられています。ページをめくる触覚だけでなく、紙の匂いやページをめくる音など、視覚以外への刺激によるものが優位に働いているのかもしれません。
④娯楽に流れてしまう
タブレットやパソコン、スマホなどの媒体は「電子書籍を読む」以外にも色々なことができますよね。ネットを閲覧したり、SNS、マンガを読む、動画を観るなど、端末一台の中に娯楽は山ほどあります。
電子書籍で勉強していたつもりが、別のアプリに通知が来てついつい開いてしまったり、休憩時間にSNSを見てしまい、休憩が長引いてしまったり、気になることを調べたらそこからネットサーフィンが始まってしまったりと、考えうる「娯楽」はたくさん思いつきます。
勉強していたのについ娯楽にながれてしまい、集中力がとぎれてしまう、勉強に身が入らない、ということにもなりがちです。
⑤書き込みがしにくい
直感的に書き込みができる紙の書籍とは違い、電子書籍は書き込みがしにくい点も挙げられます。
kindleではメモ機能やハイライトをつけられますが、それも後で見返すには少々見づらかったりもします。
スクショなどで書き込みもできますが、勉強中にサッと書きたい人にとっては少し手間に感じてしまうかもしれません。
電子書籍で勉強をしやすくするための工夫
このように電子書籍がまだ浸透しきっていないことから、これまで紙の本で勉強してきた世代にとっては勉強しづらいと感じてしまうことがあるのかもしれません。
しかし、電子書籍をうまく使いこなせば、とても便利に効率よく勉強を進めることができます。
ここでは、電子書籍で勉強をしやすくするための6つの工夫をお伝えします。
①アプリの通知を切っておく
タブレットには電子書籍専用のタブレットもありますが、ほとんどの方が電子書籍の他にも、アプリや他の機能を利用できるタブレットを使っているのではないでしょうか。
そういったタブレットでは、アプリからの通知が気になって勉強に集中できない場面が出てきます。
勉強中はアプリの通知をすべて切っておくと、勉強だけに集中しやすく、通知によって画面をさえぎられることもありません。
②ブルーライトの影響を抑える
ブルーライトによる睡眠の質が低下する対策として、就寝の2時間前までには勉強を終えられるように心がけるとよいでしょう。
しかし、夜に勉強したい人もいると思います。その場合は、ブルーライトカット眼鏡を使用したり、ブルーライトカットシートを画面に貼るなどして、睡眠の質を下げないような工夫をしましょう。
また、kindleにはブルーライトを出さない端末もあります。最初からそういったタブレットを購入するのもいいですね。
ただし、kindle端末ではkindleにある書籍しか読むことができないため、その点は注意が必要です。
③専用のタブレットを使う
電子書籍専用のタブレットを使うことも、勉強の質を上げるためにはおすすめです。
他のアプリに邪魔されることもなく、ゲームなどの娯楽もないので、勉強だけに集中できます。
電子書籍専用タブレットは、kindleを始め様々なメーカーから発売されています。
kindle端末ではkindleの書籍しか読めませんが、Androidに対応している端末であれば、Googleplayのアプリから購入が可能ですよ。
④電子書籍に慣れる
今後、電子書籍で勉強していくためには、やはり「慣れ」が近道です。これまで紙の書籍で勉強してきた世代にとっては、そもそも電子書籍に慣れていないから勉強がはかどらない、という側面もあると思います。
反対に電子書籍が当たり前になってきた頃に「紙の書籍で勉強して」と言われてもなかなか順応できないのではないでしょうか。
まずは電子書籍に慣れるために、勉強用の書籍に限らず小説やコラムなど、自分が読みやすいものをタブレットで読むことから初めてみてもいいかもしれません。
⑤書き込みはスクリーンショット機能で
タブレットの中には直接書き込みできる端末もありますが、多くのタブレットでは簡単に書き込みができない仕様になっています。
kindleにはメモ機能がありますが、思いついたときに手書きで書きたい!という方には向いていません。
メモなど書き込みをしたい場合は、スクリーンショットに書き込む方法がおすすめです。
詳しいやり方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
⑥読み上げ機能を使う
電子書籍には、紙の書籍にはない「読み上げ機能」を使って、「聞いて覚える」ことができます。
タブレットやスマホの画面を見るのが疲れた時には、読み上げ機能を使って頭に入れるのも勉強方法の一つです。
移動時間や睡眠前などにこの読み上げ機能を使って、耳から情報を入れるのもいいですね。
Android、Appleそれぞれの読み上げ機能の設定方法は以下です。
【Androidの場合】
①「設定」を開き「ユーザー補助」をタップ
②「TalkBack」をタップ
③「TalkBack」をONにする
その後、音量ボタンの大と小を同時に長押しすると、読み上げがスタートします。
目が不自由な方へ向けての機能であるため、電子書籍に限らず端末内の文字を読み上げる仕組みです。音量や場所には注意して、TalkBackをスタートしましょう。
また、TalkBackがONになっていると、端末の操作も変わります。
- 選択するときは「タップ」して選択した後に「ダブルタップ」
- 移動は指二本で
この二つの操作を押さえておけば、戸惑うことはないと思います。
設定からTalkBackが開けない場合は、端末内にTalkBackが入っていない可能性があるため、Googleplayからアプリをインストールしてくださいね。
【iPhoneの場合】
①「設定」を開き「アクセシビリティ」をタップ
②「読み上げコンテンツ」をタップ
③「画面の読み上げ」をONにする
電子書籍を開き、画面上から下へ2本指でスワイプ!
読み上げメニューが表示されたら、読み上げがスタートします。
電子書籍も紙の書籍もアウトプットすることが大事
紙の書籍は「記憶に残りやすい」とされていますが、今は技術の進歩もあり、ブルーライトをできる限りカットしたり、読み上げ機能を付けたりと、紙の書籍よりも勉強しやすく進化しています。
どちらにせよ、電子書籍も紙の書籍も目で見ただけ、一度読んだだけでは身につかないため、アウトプットをして身につけていくことが重要です。
電子書籍は今後さらに使いやすく進化していくでしょう。
今はまだ紙の書籍の方が勉強しやすく感じるかもしれませんが、電子書籍の扱い方や勉強法に慣れれば、紙との違いはさほど感じないのではないでしょうか。
付箋機能やメモ機能、書き込みなどもうまく利用すれば、電子書籍は非常に勉強に役立ちます。
効率的に勉強を進めるためにも、今から電子書籍に慣れておくことはおすすめですよ。
まとめ|電子書籍なら紙の書籍よりもお得に勉強できる!
紙の書籍で勉強をしてきた世代にとって、電子書籍は勉強がしづらいと感じる場面もあるかもしれません。
しかし、今後さらにデジタル化が推進され、電子書籍の需要も増えていくでしょう。
電子書籍で勉強することによって、スキマ時間も活用しやすくなり、より効率的に勉強を進めることができます。
また、電子書籍は紙の書籍と比べるとお得に購入できることが多いです。
特に「eBookJapan」は
金曜日はPayPay利用で最大50%お得
このように、クーポンやキャンペーンが充実しています。
マンガのイメージが強いですが、参考書や資格教材なども取り扱っています。
参考書や資格教材は普通に購入すると高額です。なるべく初期費用を安く済ませるためにも、eBooKJapanはおすすめです。
紙の書籍と電子書籍の比較記事もぜひ参考にしてくださいね。
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