現在携わっている仕事のスキルアップをしたい、またはもっと専門的な知識を身に付けたいと思い転職やキャリアチェンジを考える方も多いのではないでしょうか。
その中でも、一般事務職の仕事をされている方がより専門職種へスキルアップしたいと考えたときに、事務系で人気なのが「経理職」です。
ただし、その専門性の高さから「自分には無理ではないのか。」というイメージをもたれる方も多いようです。
さらに、実務未経験・30代となると、なかなか転職に踏み切れないということもあるでしょう。
本記事は、経理の実務経験が未経験の30代でも「経理職」に就きたいという方に求められるもの・求められるスキルについてご紹介していきます。
経理未経験の30代に求められる3つの実務スキル
まず、経理の実務経験が未経験であっても採用に積極的な企業もあります。
ただし、30代であるという点においては新入社員とは違い“最低限の基本的なスキル”を求められることになります。その中でも、経理職を採用している企業が30代の経理実務未経験者に対して求めるスキル3つをご紹介します。
実務経験よりも求められるパソコンスキル
経理の仕事ではパソコンを使用することが多いため、やはりパソコンのある程度のスキルは身に付けておくことが好ましくなってきます。
実際にどれくらいのレベルを身に付けておけばいいのかということですが、経理の仕事に必要なパソコンスキルはWord・Excelともに「初級レベルでよい」とされています。
また、経理ソフトや会計ソフトなどの経理に関するパソコン作業に関しては、就職後に実務経験を積みながらレベルをあげていければ十分とされています。
ちなみにWordとExcelの初級レベルについては下記の通りです。
【Wordの初級レベル】
- 文字入力が問題なくできる
- 簡単な文章の作成ができる
- ページ設定、書式設定などを使用することができる
- 表の作成や画像を挿入することができる
【Excelの初級レベル】
- 関数や四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)が使用できる
- 表やグラフの作成ができる
- セル、行、列などを調整してレイアウトを整えることができる
実務経験よりも求められるコミュニケーションスキル
どの職種に関しても、社会人であればコミュニケーションスキルは重要です。
経理の実務では、企業のお金を管理する立場ですので、他部署や他グループとの連絡・報告・相談を密に行うことになります。
社内でのコミュニケーションを図るためにもコミュニケーションスキルは重要です。
また、銀行や会計事務所、税理士事務所など企業のお金に関することで外部との打ち合わせもありますので、企業内部に留まらずコミュニケーションをとることが求められます。
実務経験よりも求められる素直さ
経理職を募集する企業の中には「経理未経験者OK」を打ち出しているところもあります。
企業側はどれだけの知識や経験があるかではなく、これからの伸びしろや可能性をふまえて採用をしてもよいと示しているのです。
素直にかつ積極的に学ぼうとする姿勢をみせることが大切です。
経理未経験の30代が取得しておきたい資格3選
経理の実務が未経験であっても、資格を取得していれば履歴書や面接のときにアピールをすることは可能です。
経理の実務が未経験であっても持っていることで転職に役立つ資格についてご紹介します。
経理の基礎「簿記」
「簿記といえば経理」というイメージをもつほど、経理職において簿記は必要な知識のひとつになります。
簿記とは、企業が日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を示すものです。
簡単に言えば、会社の家計簿のようなものです。
経理の仕事において最初は仕訳データの入力を行うことが多いといわれていますので、仕訳について簿記で勉強しておくと仕事のスピードも違ってくるでしょう。
これから経理職に転職したいと考えている人はぜひとも取得しておきたい資格なのです。
また、経理職の募集必要資格においても「簿記2級レベル・簿記3級保有者」と条件をつけている企業もありますので、取得すると有利であることは間違いないでしょう。
ちなみにベースになるのは簿記3級レベル、実務に役立つのは簿記2級レベルといわれています。
パソコンスキル「MOS」
MOSとは、WordやExcelなどのマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明できる資格です。
「WordやExcelがつかえる」では採用する側にはどれくらいのレベルなのかがわかりません。
目にみえにくいスキルを証明することができます。
また、世界的に使用されている資格で社内教育のひとつとして取得を導入している企業もあるほどです。
経理ソフトや会計ソフトと使用するといえど、WordやExcelにて管理することも多くあるので「MOS」をもっていることが強みになります。
実践的な法律知識「ビジネス実務法務検定」
ビジネス実務法務検定とは、経理職にとどまらず販売職、営業職、総務職など幅広い職種で役立つ法律知識を身に付け、コンプライアンス能力についても高めることができる検定です。
現在、企業や個人でリスク管理が重要視されている中で、企業の財政管理・企業の組織管理を法律によって守ることはコンプライアンスを重視している企業では魅力的な存在となるでしょう。
経理未経験の30代が経理職に就くメリットとデメリット
30代になって転職または就職しようと考えたときに未経験である職種を選ぶのは少なからずメリットとデメリットがあります。
経理職おいてのメリットとデメリットについてはしっかりと考えておきましょう。
【30代で経理職へ転職するメリット】
- 会社の経営について学べる
- パソコンスキルを高めることができる
- 男女関係なく長期にわたって活躍できる
【30代で経理職へ転職するデメリット】
- 経理について1から勉強する必要がある
- 細部にまで気を張る仕事である
- 決算期は多忙を極めること
30代で経理職へ転職するメリット
経理未経験の30代で経理職に就くメリットとしては下記のようなことがあげられます。
・会社の経営について学べる
やはり経理職の大きなメリットは会社の経営に携わり会社の骨組みを学べるということでしょう。また、経理職は会社の資金を管理しているので、重要な仕事を任されているという高い意識をもって仕事に取り組むことができます。資金の流れや資金使途など一般社員では知りえない会社の経営状況を把握することができるので、一社員でありながら、会社規模の経営を学べるという点ではとてもいい経験になります。
・パソコンスキルを高めることができる
経理職では会計ソフトを使用しますが、それだけですべてを管理しているわけではなく、やはりWordやExcelを多用している企業が多いので、WordやExcelについての知識を習得して、能力を高めていくことができます。
・男女関係なく長期にわたって活躍できる職種
経理職は専門的な職種ですので一度力をつければ長期的に仕事を続けることができるとされています。また、産休や育休、傷病休暇などからも復帰されやすいとの声が多く聞かれる職種でもあり、男性も女性も関係なく活躍できる職種です。
30代で経理職へ転職するデメリット
経理未経験の30代で経理職に就くデメリットとしては下記のようなことがあげられます。
・経理について1から勉強する必要がある
経理職につく大きな壁は、やはり「経理のことを一から勉強しなければならない」ことでしょう。実際に経理担当の方にお話しを聞いたところ、とにかく最初は「数をこなすことと勉強漬けの日々だった」とのこと。経理に関する知識をつけること、それを実践の中で自分のものにしていくことは当たり前ですが本人の努力も必要になってきます。
・細部にまで気を張る仕事である
企業の資金を管理している以上、お金が合わないということは絶対に許されないのが経理職です。会社内だけにとどまらず、取引先に出した請求書の内容や金額に違いがあれば会社自体の信用を失うことになりかねません。また、給与計算においても少しでも間違えると社員からの評価や信頼も得られなくなるでしょう。こういったことから、間違いが許されないプレッシャーに負けない精神力と集中力のいる仕事でありストレスを感じる局面でもあります。
・決算期は多忙を極めること
どの会社も決算期になると多忙になります。特に、経理職は決算となると会社のお金をすべて綺麗にし、1年間のお金の動き、間違いがないかなど細かく整理しなくてはなりません。お子さんがいても、やはり残業を余儀なくされることもありますし、お子さんが熱を出したからといって簡単に休めない場合もでてくるでしょう。
まとめ|経理職は30代実務未経験でも転職可能な魅力的な職種!
・実務未経験でも採用に積極的な会社もある
・30代での転職はそれなりにスキルを重要視される
・経理職に転職したい場合、事前に資格取得を視野にいれる
・プレッシャーの伴う仕事だが、その分やりがいのある仕事である
・経理について学び、力をつけると、その後も仕事を続けやすい
上記からもわかるように、経理職は会社を運営するにあたり、とても重要なポジションの仕事です。
実務経験がなくても積極的に採用している企業もあるので、まずは自己啓発も兼ねて資格を取得することをおすすめします。
実際に資格を取得していると書類選考や面接でも自分のアピールポイントや積極的な姿勢を示すことができますからね!
男女関係なく活躍できる点や一度力をつけると長いスパンで活躍し続けることができるという点をふまえても、30代実務未経験でも十分にチャレンジする価値のある職種ということがわかります。
ぜひ経理職に転職をお考えの方は前向きに行動してほしいですね。
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