小説「君の膵臓をたべたい」が、桐原いづみ氏作画で漫画版「君の膵臓をたべたい」(上巻・下巻)として発売されました。
「君の膵臓をたべたい」は佳野よる氏の初めての作品である青春小説です。
正直なところ、大体、小説(原作)の作品を漫画化にすると残念な気持ちになることが多いんです。
1.原作の挿絵と漫画版のイラストが違いすぎる。
2.漫画化されると、原作のストーリーが入りきらず、一部省略される。
※それが見たかったシーンだとなおショック
3.ラストシーンのインパクトが弱まる。
この3点のギャップでいつも私は残念な気持ちになります。
ところが、今回の「君の膵臓をたべたい」に至っては、原作と漫画でのギャップがほとんどありません!
しかも、原作のネタバレを漫画でちゃっかりしてしまっています(笑)
~あらすじ~
主人公である「僕」が病院で偶然拾った1冊の「共病文庫」というタイトルの文庫本。
それは「僕」のクラスメイトである山内桜良 (やまうち さくら) が綴っていた、秘密の日記帳であり、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが記されていた。
「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、身内以外で唯一桜良の病気を知る人物となる。
「山内桜良の死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことにより、「僕」、桜良という正反対の性格の2人が、互いに自分の欠けている部分を持っているそれぞれに憧れを持ち、次第に心を通わせていきながら成長していく。そして「僕」は「人を認める人間に、人を愛する人間になること」を決意。桜良は恋人や友人を必要としない僕が初めて関わり合いを持ちたい人に選んでくれたことにより「初めて私自身として必要されている、初めて私が、たった一人の私であると思えた」と感じていく。
【参照:ウィキペディア】
漫画版「君の膵臓をたべたい」上巻で早速のネタバレ!
はじめて漫画版を手にしたのは、小説「君の膵臓をたべたい」を知人から借りて読んだ日でした。
たまたまいった本屋さんで見かけました。
漫画版「君の膵臓をたべたい」上巻の発売日が2月で、見かけたのが5月。発売してから3か月も経っていましたが、これまでに何度か本屋に行っていても全く気付いていませんでした。
そりゃぁ、小説読んでいなかったら気づきませんよね~
はじめの印象は、「漫画版のイラストは小説の表紙イラストより童顔だな~」ということだけ。
小説を読んですぐでしたので、漫画版を購入しようか一瞬悩みましたが、単純に「イラストがカワイイ」というだけでレジに持って行ってしまいました。
早速、家にかえって読んでみると、小説を読んだばかりなのに漫画版のストーリーに全くの違和感がない。
強いて言えば、「山内桜良(やまうちさくら)」のテンションが高いくらい。
小説を全部読んだ直後でしたので、「桜良の死」と「桜良の日常」が余計に際立って感じてしまったからかもしれません。
小説「君の膵臓をたべたい」は知人の借り物でしたので、小説を返すとともに漫画版「君の膵臓をたべたい」は知人に貸しました。
反応は上々!
ただ、原作の小説では2人の旅行先がヒントがあるだけではっきりされていないのに対して、漫画版ではしっかり背景の描写でネタバレされちゃってます!
ちょっとウケました!
漫画版「君の膵臓をたべたい」上巻では、小説「君の膵臓をたべたい」の160ページ(281ページ中)が描かれています。
漫画版「君の膵臓をたべたい」上巻 平成29年2月10日発売
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漫画版「君の膵臓をたべたい」下巻の表情のバリエーション!
漫画版「君の膵臓をたべたい」下巻では、小説「君の膵臓をたべたい」の残り121ページ(281ページ中)が描かれています。
率直な感想はというと・・・
「僕」の表情が豊かになってきた!
「悪い顔」「恥じらう顔」「恐怖の顔」「喜ぶ顔」「立ち向かう顔」
そして「泣く」という行為にこんなに表情のバリエーションがあるのか!?
驚きです!
上巻の「僕」は、「無表情」から「困った顔」「怒った顔」と後半にかけて変化がみられましたが、下巻の「僕」は、ビックリするくらい表情が豊かになっています。
小説の文章からも感じとれましたが、漫画版になるとダイレクトに映像として飛び込んできますね!
今まで人との関わりを必要とせずに生きてきた「僕」が、「桜良」との関わりによって、どんどん変化していく姿がしっかり描写されていて、惹き込まれましたよ、ホント!
逆に、人との関わりがなければ自分の魅力を作り出すことはできないと考えていた「桜良」は、「僕」との関わりによって、「私自身として必要とされている」と実感することができらんですね。
二人の出会いは、偶然ではなく、「僕」が今までしてきた選択と「桜良」が今までしてきた選択の結果。
そして、この二人の変化も自分がお互いに「桜良(僕)のようになりたい」と自分の意志で選択してきた結果なんですね!
深い!!
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私の率直な感想
小説の作品を漫画化にすると残念な気持ちになることが多い理由の代表は次の3つですよね。
1.原作の挿絵と漫画版のイラストが違いすぎる。
2.漫画化されると、原作のストーリーが入りきらず、一部省略される。
※それが見たかったシーンだとなおショック
3.ラストシーンのインパクトが弱まる。
この3つについて個人的な感想をお伝えしたいと思います。
1.原作の挿絵と漫画版のイラストが違いすぎる。
これは、冒頭でもお伝えしたように「漫画版のイラストは小説の表紙イラストより童顔」です。
かわいいイラストを好む方はドストライクではないでしょうか?
原作である小説の挿絵と比べても若干可愛らしくなっているだけで、違和感を感じるほどではありません。
2.漫画化されると、原作のストーリーが入りきらず、一部省略される。
ビックリするくらいほとんど忠実でした。
原作でははっきり名称が出ていなかった2人の旅行先でしたが、漫画版では背景としてばっちりネタバレされていました(笑)
3.ラストシーンのインパクトが弱まる。
表情の豊かさ、言葉の紡ぎ方、どんどん吸い込まれるようにラストシーンが進んでいきました。
読み終えて、本を閉じ、本の後ろをふと見ると、「君の膵臓をたべたい」の著者である住野よるさんが漫画版のオビにこんなコメントで評したのが、印象的でした。
「原作の目指していたものを、漫画でしかできないやり方で描いてくださいました」
ホント、この言葉につきるな・・・
なかなか処女作を原作に負けないくらい表現豊かに漫画化されるってないのではないでしょうか?
小説「君の膵臓をたべたい」を漫画版と見比べたい方は小説と合わせてお読みくださいね~
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まとめ
小説「君の膵臓をたべたい」が、桐原いづみ氏作画で漫画版「君の膵臓をたべたい」(上巻・下巻)として発売されました。
「君の膵臓をたべたい」は佳野よる氏の初めての作品である青春小説です。
正直なところ、大体、原作である小説を漫画化にすると残念な気持ちになることが多いんです。
しかし、「君の膵臓をたべたい」に至っては、原作と漫画でのギャップがほとんどありません!
しかも、小説のネタバレを漫画でちゃっかりしてしまっています(笑)
「君の膵臓をたべたい」を読まれる方は、次の順で読まれることをおすすめします。
小説「君の膵臓をたべたい」住野よる著
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漫画版「君の膵臓をたべたい」桐原いづみ作画
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