学校の卒業や就活前に簿記3級を取ろうとするとき、試験日を確認し逆算して勉強を始める方もいるのではないでしょうか。
簿記3級の試験日は、年3回(6月、11月、2月)しかありません。
一度受けてダメな場合は、次のチャンスを待つしかないのです。
「これでは、学校の卒業や就活に間に合わない!」
今までは、そう諦めた方もいたかもしれません。
しかし、2020年12月より簿記にネット試験が導入され、試験センターが定めた日程から自分で決めることができるようになりました。
さらに試験会場も自分で選択できます。
つまり、簿記3級にいち早く合格できるチャンスが一気に増えたということになります。
本記事では、いつでも受けられる簿記のネット試験についてお伝えしていきます。
簿記のネット試験していち早く合格の切符を手に入れましょう!
簿記がいつでも受けられるネット試験になったのはなぜ?
新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年、簿記3級の検定試験で行ってきた「統一試験」を中止せざる負えない時期があり、多くの方が受験機会を失うことがありました。
そこで、受験機会の確保や今後のさまざまな状況を苦慮し、2020年12月、密にならないように試験会場を自分で選んでいつでも受けられる「ネット試験」が導入されました。
簿記のネット試験は今までの試験とどう違う?
簿記ネット試験は、今までの統一試験と比べてどのような違いがあるのでしょうか?
試験日や試験時間、試験内容などを詳しくみていきましょう。
ネット試験の試験日は?
簿記のネット試験の試験日は、次のとおりです。
今までの統一試験は、6月第2週、11月3週、2月4週と年3回に試験が行われていました。
ネット試験は、申込日より3日目以降、試験会場が設定する日時に希望に応じ受験できます。
ネット試験の試験会場は?
簿記のネット試験の試験会場は、次のとおりです。
統一試験では、申し込んだ商工会議所が定めた会場にて受験し、受験申込者が選択することは原則できませんが、ネット試験は、全国100以上の会場から自分で決めることが出来ます。
自宅近くの会場や会社への通勤途中の会場等、自分の都合に合わせて試験会場を選択することが可能となっております。
ネット試験の試験時間は?
簿記のネット試験の試験時間は、次のとおりです。
2級:(出題形式)選択式+入力式5題以内 (試験時間)90分
※仕訳問題は選択式(プルダウン方式)です。科目選択は正確に確定させることが必要です。金額や勘定科目名を入力する問題も出題されます。
従来の統一試験の試験時間は120分でしたが、2021年度よりネット試験も統一試験もどちらも同じ試験時間になりました。
ネット試験の試験内容は?
簿記のネット試験の試験内容は、次のとおりです。
簿記3級 | 第1問:仕訳 第2問:勘定記入・補助簿・適語補充 第3問:決算 |
簿記2級 | 第1問:仕訳 第2問:標準的連結、連結精算表、連結財務諸表、勘定連絡、空欄補充、株主資本等変動計算書 第3問:個別決算(損益計算書、貸借対照表、本支店会計) 第4問:仕訳/財務諸表作成、部門別原価計算、個別原価計算、総合原価計算、標準原価計算(勘定記入・損益計算書) 第5問:標準原価計算(差異分析)、CVP分析、直接原価計算 |
ネット試験の場合、仕訳問題の勘定科目記入欄はプルダウン方式で、候補からクリックして選択します。
また、金額や勘定科目名を入力する問題も出題されます。
ネット試験の受験料は?
簿記のネット試験の受験料は、次のとおりです。
2級:4,720円(消費税込み、統一試験と同じ)
但し、ネット試験は事務手数料として550円(消費税込み)が必要となります。
いつでも受けられるネット試験はパソコンで行うCBT方式
簿記のネット試験は、パソコンで行うCBT方式になります。
CBT方式とは、「Computer Based Testing」の略で、申し込み・受験・結果すべてパソコンから行うことが出来る試験方式のことです。
統一試験では同一試験日全国みな同じ問題でしたが、CBT方式では試験問題がランダムに出題されるため、同一試験日同一会場であっても隣の人とは異なる問題となります。
簿記のネット試験の申し込みの仕方
ネット試験は随時行われるため、申し込み期間は設定されておりません。
受験日の3日前までに、申し込み専用ページから受験予約を完了させます。
それでは、簿記のネット試験の申し込み方法や持ち物、試験当日の流れを詳しくみていきましょう。
ネット試験の申し込みの方法は?
簿記のネット試験の申し込み方法は、次のとおりです。
- 受験者登録(初めて場合はユーザIDとパスワードを取得)
- 受験予約
簿記3級(または簿記2級)を選択 - 試験の日時・会場を選択
- 支払方法を選択
3級:受験料2,850円+事務手数料550円(ともに消費税込み)
2級:受験料4,720円+事務手数料550円(ともに消費税込み)
クレジットカード、コンビニ、Pay-easy払いのいずれか - 受験予約完了(登録したEメールアドレスに届いた完了のお知らせを確認)
- 領収書(マイページにて出力可能)
ネット試験当日の持ち物
簿記のネット試験当日に必要な持ち物は、次の2点です。
- 身分証明書
- 電卓
筆記用具は試験会場にて用意されたものを使用するので必要ありません。
ネット試験当日の流れ
簿記のネット試験当日の流れは、次のとおりです。
- 本人確認書類を提示し、受付
※本人確認書類は、免許証、マイナンバーカード等顔写真付き証明書1点 または、健康保険証、社員証、学生証、住民票等2点など - 受験ログイン情報シートに受級・氏名・生年月日など記入
- 試験中に使用する筆記用具とメモ用紙を受け取り、受験ログイン情報シート、本人確認書類、電卓を持ち入室
- 試験科目を確認し、試験開始
- 試験終了ボタンを押し、終了
- 画面に試験結果が表示されるので確認、印刷
簿記のネット試験の勉強方法
簿記のネット試験はランダムに出題されるため、統一試験(ペーパー試験)のような過去問がありません。
また、パソコンを使用した試験なのでパソコン操作に慣れておく必要があります。
簿記のネット試験の勉強をするときは、講座を受ける場合と独学でする場合と大きく分けられます。
それぞれどのような勉強方法があるかをみていきましょう。
講座を受ける場合
簿記のネット試験に向けて、Web講座を受けることは合格への最短ルートになります。
「資格の講座資格の大原」や「資格の学校TAC」では、基本講義や模擬試験などネット試験対策が組み込まれた最新の学習プログラムが用意されています。
その他、「スタディング 簿記講座 」や「【オンスク.JP】 」などは、スマホ・PC・タブレットで学べるため、スキマ時間を有効活用した勉強に向いています。低価格やサブスクでもあるので経済的負担も少ないです。
はじめて簿記を学習される方や改めて基礎からしっかり学びたい経験者の方には最適な講座となっております。
独学でする場合
簿記のネット試験に向けて、独学でする場合は少し大変な道のりになります。
従来の参考書、問題集などのテキストで勉強することも大切ですが、パソコンで行うCBT方式のネット試験に慣れる必要があります。
まずは、商工会議所HPの「サンプル問題」やTAC出版HPの「ネット試験対策模擬問題」などで試験当日の練習をしてみたり、Web講座などの模擬試験のみ受講したりするなど、本番に合わせた独学勉強方法が必要になります。
時間配分の把握やレベルを知るためにも、ぜひ解いてみてはいかがでしょうか?
簿記3級独学の勉強時間と一発合格に実際かかった費用(統一試験)をご紹介しますので、ご参考になれば幸いです。
まとめ|簿記のネット試験はいつでも受けられる!合格のチャンスを活かせ!!
簿記の試験日は、年3回(6月、11月、2月)しかありません。
一度受けてダメな場合は、次のチャンスを待つしかないというのがこれまでのシステムでした。
「これでは、学校の卒業や就活に間に合わない!」
そう諦めた方もいたかもしれません。
2020年12月から、自分で会場を選ぶことでいつでも受けられる「ネット試験」が導入されました。
簿記のネット試験の概要は次のとおりです。
試験センターが定めた日程から日時、試験会場を自分で選択出来ます。
※試験後すぐに結果が出るので今回ダメでもまたすぐ受験出来るのでチャンスが増えることとなります。
ネット試験時間・・・3級:2,850円(消費税込み)2級:4,720円(消費税込み)
試験内容・・・統一試験と同じ
※仕訳問題の勘定科目が選択式、金額や勘定科目名を入力する問題も出題されます。
- 受験者登録(初めて場合はユーザIDとパスワードを取得)
- 受験予約
簿記3級(または簿記2級)を選択 - 試験の日時・会場を選択
- 支払方法を選択
3級:受験料2,850円+事務手数料550円(ともに消費税込み)
2級:受験料4,720円+事務手数料550円(ともに消費税込み)
クレジットカード、コンビニ、Pay-easy払いのいずれか - 受験予約完了(登録したEメールアドレスに届いた完了のお知らせを確認)
- 領収書(マイページにて出力可能)
・身分証明書
・電卓
※筆記用具は、会場にて用意されています。
ネット受験の勉強方法としては、ネット試験に慣れるためのサンプル問題が公開されています。時間配分の把握やレベルを知るためにも、ぜひ解いてみてはいかがでしょうか?
簿記の勉強をしっかりすることは変わりないのですが、ネット試験が出来るチャンスの回数が増えたことにより、従来の統一試験ほど肩ひじ張らずに受験できるようになりました。
何より、すぐに結果を知ることが出来るのもありがたいことですね。
いつでも受けられるネット試験のメリットを味方にし、簿記合格を勝ち取りましょう。
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