簿記2級の一夜漬けを考えている人は、今すぐ考えをあらためてください。
私は税理士事務所に勤務していますが、簿記2級を一夜漬けで勉強した人を聞いたことがありません。
そして、同じ業界においても簿記2級の一夜漬けをすすめる人は誰もいません。
本記事では、実際に簿記2級を勉強して合格経験のある私が、なぜ簿記2級の一夜漬けはやめとけと言われるのかをお伝えしていきます。
簿記2級一夜漬けはできる人はごく少数
簿記2級の一夜漬けはおすすめしません。
なぜなら、簿記2級の試験内容が一夜漬けできる量ではないからです。
ただし、一部の人は一夜漬けに近い状態でも簿記2級合格可能な人がいます。
ここでは、簿記2級の一夜漬けが可能な人についてをお伝えします。
①すでに簿記2級レベルの仕事をしている人
簿記2級の一夜漬けが可能な人はすでに簿記2級レベルの仕事をしている人です。
企業の経理や税理士事務所で簿記2級の試験範囲である商業簿記も工業簿記も経験している人は、すでに実務レベルで理解が深まっています。
しかし、実務レベルと試験では異なることもあるため、試験対策用に過去問を何度か勉強することで、知識をすり合わせることができ、一夜漬けに近い状態でも簿記2級合格が可能でしょう。
②過去に簿記2級を何度もチャレンジしている人
簿記2級の一夜漬けが可能な人は過去に簿記2級を何度もチャレンジしている人です。
簿記2級の勉強をずっとしてきているわけですから、基礎的な土台はできていますし、自分の得意な分野や苦手な問題を熟知しています。
苦手な問題をカバーし、乗り越えることができれば、一夜漬けに近い状態でも簿記2級合格も見えてくるでしょう。
簿記2級の一夜漬けはやめたほうがよい3つの理由
冒頭からお伝えしているように、簿記2級の一夜漬けはおすすめしません。
実務経験が豊富な同僚が、もし「簿記2級を一夜漬けでいけるっしょ」と言ったら迷わず言います。
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簿記2級の一夜漬けはやめとけ、と。
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その理由は3つあります。
②簿記2級は商業簿記もレベルが高い
③過去問が間にあわない
順にお伝えしますね。
①工業簿記の理解に時間がかかる
簿記2級では、簿記3級ではなかった工業簿記が試験範囲に入ってきます。
商業簿記の場合は、商品を仕入れて売るというように身近な知識をもとに勉強をすすめていくわけですが、工業簿記の場合は、製品を作る過程から売上原価を計算するといった馴染みがない状態からの勉強になるため、実務経験がない人は工業簿記を理解するのに時間がかかります。
よって、簿記2級の一夜漬けをおすすめしません。
②簿記2級は商業簿記もレベルが高い
簿記2級は工業簿記の理解が大変と伝えましたが、商業簿記も簿記3級よりもレベルが上がります。
簿記2級の商業簿記は、簿記3級の延長線レベルだと思って取り組むと足もとをすくわれてしまいます。
ただでさえ、工業簿記に慣れるのに時間がかかるのに、レベルアップした商業簿記を理解するのはさらに時間を費やすでしょう。
よって、簿記2級の一夜漬けはおすすめしません。
③過去問が間にあわない
冒頭では、実務経験があれば過去問をするとよいことを伝えましたが、実務経験と簿記2級のレベルが合うときに限ります。
簿記2級の試験は90分です。
例えば、過去問となる前回の試験や模擬試験を1回してみて、合格点にならないなら、間違ったところを見直して再チャレンジする必要があります。
一夜漬けでいったい何回できるでしょうか?
2〜3回で合格点に余裕で達するレベルになるなら申し分ないですが、実務経験があってもそれができるのはごくわずかな人でしょう。
よって、簿記2級の一夜漬けはおすすめしません。
試験前日にすべき5つの対策
そもそも簿記2級の一夜漬けを試験前日になるまでできると思わない方がよいでしょう。
試験前日は、試験当日に備える日です。
ここでは、簿記2級試験前日にすべき5つの対策をお伝えします。
②過去問を解く
③お風呂にゆっくり入る
④早めに休む
⑤特別なことはしない
順にお伝えしますね。
①試験当日の準備をする
簿記2級試験前日は、試験当日の準備をしましょう。
筆記用具や電卓、受験票、事前に勉強するためのテキストやノートなど、当日に慌てないように不足ない準備をしておくのが、簿記2級合格への第一歩です。
忘れ物はご法度ですが、電卓を忘れたら試験開始までにコンビニで買うなど、万一のことがあってもカバーできる余力も準備しておくと良いでしょう。
②過去問を解く
簿記2級試験前日は、疲れ過ぎないように勉強は程々にしましょう。
最低限やっておくとよい勉強は試験形式の過去問です。
試験当日の時間配分や雰囲気をイメージしやすいように1〜2回はしておくと、前日から緊張することなく、安心して休めます。
③お風呂にゆっくり入る
簿記2級試験前日は、1日の疲れをしっかりとるためにお風呂にゆっくり入りましょう。
頭も身体も休めることで、記憶力が上がり、知識の定着にも繋がります。
試験形式の過去問をしてからゆっくりお風呂に入って癒すことで、知識の定着と試験当日に疲れを残さないよう努めることができます。
④早めに休む
簿記2級試験前日は、睡眠不足にならないよう早めに休みましょう。
明日試験だと思うと緊張してなかなか寝付けないという話をききます。
しかし、普段から勉強してきて、試験前日には準備をしっかりして、試験当日のイメージがわくように試験形式の過去問をして、ゆっくりお風呂に入って身体を癒したなら準備万端です。
当日、睡眠不足で普段の力が出せないなんてことがないよう身体が温かいうちに早めに休みましょう。
⑤特別なことはしない
簿記2級試験前日は、特別なことはしないようにしましょう。
不安だからと、勉強をしすぎたり、長湯し過ぎたり、早く寝過ぎたりすると、身体のリズムを崩しやすくなります。
いつものご飯、いつもの生活が普段の勉強の力を出しやすくしますので、試験当日に前日までの疲れを持ち越さないよう勉強もお風呂も睡眠も少しだけいつもより意識する程度にしましょう。
試験直前に疲れることはしないことが合格への近道
簿記2級試験当日はいつまで勉強しますか?
試験開始まで勉強している人がほとんどなので、一般的にギリギリまで勉強するケースが多いです。
しかし、試験開始前はなるべく疲れることはしないほうがよいでしょう。
もし試験開始前に勉強したとしても、商業簿記の仕訳とか1問1答のような簡単に解ける問題など準備体操をする程度が望ましいです。
そして、少なくとも5分前にはテキストを片付けて、目を閉じて気持ちを落ち着かせましょう。
試験開始ギリギリまで疲れることをしないことで、普段の力を引き出すことができます。
まとめ|簿記2級の一夜漬けはやめておけ!コツコツ積み重ねが合格への道
簿記2級の一夜漬けはおすすめしません。
その理由は3つあります。
②簿記2級はレベルが高い
③過去問が間にあわない
簿記2級の一夜漬けができる人は、すでに簿記2級レベルの仕事をしている人か、過去に簿記2級を何度もチャレンジして試験内容を熟知している人と言えるでしょう。
それでも簿記2級の一夜漬けはなかなか厳しい面があります。
試験前日は試験当日に向けて身体を休めて、普段の力が出せるように努めるのが一番ですね。
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