簿記2級の勉強に一度は挑戦したけど、途中で挫折してしまった・・・そんな経験、決してあなただけではありません。
しかし、「また挑戦してみたいけど、どう進めたらいいのか不安」という方も多いでしょう。大切なのは、前回の失敗を責めることではなく、その経験をどう活かすか。
本記事では、再チャレンジを成功させるための考え方や勉強法、当日の対策まで、やさしく丁寧に解説しています。焦らず、無理なく、正しく学び直すためのヒントになれば幸いです。
簿記2級を受け直すためには?
「一度落ちてしまったけど、もう一度チャレンジしたい!」
そんな前向きな気持ちがあれば、再挑戦のスタートラインにはすでに立っています。
ここでは、再チャレンジを成功させるためにまずやるべき「目的の明確化」と「自己分析」について解説します。
目的を明確にしよう
簿記2級を受け直すと決めたら、最初にやるべきことは「なぜまた受けたいのか?」という目的をはっきりさせることです。
・仕事でスキルアップするため
・資格手当で収入を増やしたいため
このように、自分の中にある明確な動機を言語化することで、勉強へのモチベーションが持続しやすくなります。目的がある人は、どんな壁にぶつかっても「乗り越える理由」があるため、再チャレンジに成功しやすいのです。
過去の不合格を分析することがカギ
目的が決まったら、次に行うのは「なぜ前回はうまくいかなかったのか?」という振り返りです。
・勉強時間は足りていたか?
・勉強方法は自分に合っていたか?
過去の不合格を自分なりに分析することで、次回の対策が立てやすくなります。過去問や模試を見直して、「どこでミスをしたのか」「理解が浅かった分野はどこか」を具体的に把握しておきましょう。
目的と分析をもとに勉強法を組み立てよう
目的と反省点が整理できたら、次は自分に合った勉強法を選ぶことが大切です。
たとえば、
・基礎理解に不安がある → 動画講座でインプット強化
・過去問対策が甘かった → 過去問中心の演習型学習
といったように、「なぜ学び直すのか」「どこが苦手だったのか」をもとに勉強計画を立てれば、合格への道がぐっと近づきます。
簿記2級を受け直すための勉強法3ステップ
簿記2級の再受験で合格を目指すには、「闇雲に勉強する」のではなく、自分に合った方法で、段階を踏んで学ぶことが重要です。
ここでは、挫折経験がある人でもやり直しやすい、3つのステップに分けた勉強法をご紹介します。
ステップ① 基礎を固め直す
まずやるべきは、基礎の見直しです。一度学んでいるとはいえ、期間が空いている場合は知識があいまいになっていることが多いもの。いきなり問題を解き始めるのではなく、テキストや動画講座などを使って、仕訳や帳簿などの基本的な内容を「理解し直す」ことから始めましょう。
とくに、前回の試験で点数が取れなかった分野(例:工業簿記や精算表)は、重点的に復習するのがおすすめです。最初は時間をかけてでも、「わかったつもり」から「自分の言葉で説明できる」状態にまで落とし込むことが大切です。
ステップ② 問題演習でアウトプットを強化
基礎の理解が進んだら、次はアウトプット中心の学習に移行しましょう。簿記2級では、試験問題の多くが「計算」「記述」「仕訳」など実践的な内容です。ここで必要なのは、知識を「使える」状態にすることです。
・出題傾向に慣れる
・制限時間内で解く練習をする
などを意識して取り組みましょう。
とくにおすすめなのが、「解いたら、すぐに解説を読む→理解できなければ再度テキストで確認」というサイクルを作ること。間違いを放置せず、理解できるまで向き合う姿勢が合格に直結します。
ステップ③ 試験を想定した実戦トレーニング
最後の仕上げは、本番を意識した実戦トレーニングです。簿記2級は時間との戦いでもあります。どれだけ知識があっても、試験時間内に解ききれなければ意味がありません。
この段階では、
・解く順番を決めておく(得意な問題から解く戦略)
・本番さながらの緊張感で取り組む
といった練習が効果的です。1~2回ではなく、3回以上の模擬試験に取り組むことで、時間配分や得点戦略の感覚を磨くことができます。
テキストはそのまま?それとも買い直す?
簿記2級を再受験する際、多くの人が悩むのが「前に使ったテキストをそのまま使うか?それとも新しく買い直すか?」という問題です。
新しいテキストの方が気分一新になりそうですが、実は今あるテキストを活かすという選択肢も十分アリです。
テキストを買い直さなかった理由
私がテキストを買い直さなかったのには、いくつか理由があります。
まずは費用面の節約。市販の簿記2級テキストは高くはないですが、再受験には模試や問題集など他にもお金がかかります。
でも何より大きかったのは、「前回このテキストを最後まで使いきれなかった」という悔しさ。内容をしっかり読み込んでいなかったことが、不合格の一因だったと反省しました。
また、そのテキストは基本をしっかり網羅した最新版だったこともあり、「もう一度この教材を丁寧にやり直せば、合格できる」と確信を持てたのです。
>>簿記2級テキストを買い直しする?しない?1回落ちて買い直しを迷った主婦の決断

テキストを再利用するなら、勉強法を見直すのがカギ
テキストをそのまま使うと決めたら、次にやるべきは勉強のやり方の見直しです。
具体的には、
・理解できていなかったページを重点的に読み直す
・章末問題を繰り返し解く
・過去問や模試でアウトプットの機会を増やす
といった方法で、テキストを「ただ読む」から「使い倒す」へと学習スタイルを変えることが大切です。
とくに模擬試験は、本番と同じ時間配分で解いてみることで、実戦力と集中力が鍛えられますよ。
買い直す場合のチェックポイント
一方で、「数年前の古いテキスト」や「制度改正前のもの」を使っている場合は、買い直した方が安心です。
新しいテキストを選ぶときは、以下の点に注目しましょう。
・図解や解説がわかりやすく、自分に合っているか
・インプットだけでなく問題演習もしっかりついているか
通信講座との連携がある場合、動画や質問対応が充実しているか
買い直すなら、単に「新しいもの」に飛びつくのではなく、自分に合った教材かどうかを見極めることが合格への近道です。
苦手分野を克服しよう!
簿記2級の再受験で合格を目指すなら、「苦手を放置しないこと」が最大のカギです。
得意な分野だけを繰り返しても、点数は伸びにくくなります。だからこそ、前回の失敗を活かして、苦手をひとつひとつクリアしていくことが大切です。
過去のテストから弱点の洗い出しをしよう!
まず最初にやるべきことは、自分がどの分野でつまずいていたのかを明確にすることです。前回の試験や模擬問題の結果を見直し、以下のような点をチェックしてみましょう。
・計算ミスが多かった箇所
・そもそも手がつけられなかった問題
このように、自分の「できなかった部分」に目を向けるのは勇気がいりますが、つまずいていた分野を避けずに向き合うことが、合格への一番の近道です。
過去問題集を効果的に活用しよう!
弱点が見えてきたら、次は弱点を克服するために過去問題集を積極的に使いましょう。ただし、やみくもに解くのではなく、目的をもって活用することが大切です。
過去問題集の効果的な使い方の一例は、まずは苦手分野に絞って過去問をピックアップし、解いた後は「なぜ間違えたか」「どこが曖昧だったか」をメモ。そして、同じ問題を1週間後にもう一度解いてみる、といった方法です。
これを繰り返すことで、知識が定着し、自信を持って回答できる力が養われます。また、本番の形式に慣れるという点でも、過去問演習は非常に有効です。
受験直前の集中対策
いよいよ試験が目前に迫ってきたら、本番を想定した実践的な対策が欠かせません。
しかしながら、焦りや緊張で何をすべきかわからなくなる人も多い時期です。
ここでは、受験直前にやるべきこと、やってはいけないことを整理しておきましょう。
模擬試験をしっかりしよう!
試験直前期の最重要対策のひとつが「模擬試験」です。本番と同じ形式・時間で問題を解くことで、実践力や時間配分の感覚が身につきます。
模試を行うときのポイントは、次のとおりです。
・本番と同じ環境(静かな場所・机・筆記用具)で実施する
・見直し時間を含めたペース配分を練習する
・復習では「どこを間違えたか」よりも「なぜ間違えたか」を深掘りする
この模試練習を2〜3回重ねておくと、試験当日のプレッシャーにも冷静に対応できるようになります。
試験前のリラックス法と気持ちの切り替え
「直前だからもっと詰め込まなきゃ」と焦る気持ちはわかりますが、前日の徹夜勉強は逆効果です。むしろ、直前は頭と心をリセットする時間にあてるのがおすすめです。
・しっかり睡眠をとって脳を休める
・深呼吸やストレッチなどで緊張を和らげる
・「今できることはやった」と自分に言い聞かせる
本番で力を発揮するためには、「疲れていない状態で試験に臨む」ことが一番の準備なのです。
直前期のやってはいけないこと
最後に、直前期にやってしまいがちだけど、避けたい行動を3つご紹介します。
・完璧を目指して詰め込みすぎる
・他人と比べて焦る
「知らない問題を見つけたらどうしよう」と不安になりがちですが、直前に新しい教材を使うと、かえって混乱のもとに。今まで使ってきたテキストや問題集を信じて仕上げましょう。
そして、すべてを完璧に覚えるのは不可能です。「この分野は確実に取る」とメリハリをつけた方が、精神的にも安定します。また、SNSや勉強仲間の進み具合に焦ることもあるかもしれません。
でも、あなたのペースでやってきたことに自信を持ちましょう。他人は他人、自分は自分です。
試験当日の心構えと対策
試験当日は緊張感が最高潮に達します。
いよいよ本番当日。ここまで勉強してきた努力を発揮する日です。しかし、緊張や不安で本来の実力が出せなかった・・・というのはよくある話。当日をどう迎え、どう過ごすかによって、試験の結果が左右されることも少なくありません。
ここでは、試験当日に実力をしっかり出し切るための「心構え」と「行動のポイント」をご紹介します。
余裕を持ったスケジュールで行動しよう
試験当日は、時間に余裕を持って行動することがとても大切です。ギリギリに会場に到着すると、焦りや緊張が高まり、集中力が落ちてしまいます。
・前日のうちに道順と所要時間を確認しておく
・万が一に備えて、乗り換え案内や地図アプリを事前にチェック
また、筆記用具・電卓・受験票などの持ち物は、前日の夜にしっかり準備しておくことが基本です。不安のタネは、できるだけ前もって潰しておきましょう。
試験前の時間は「確認」と「深呼吸」に使う
試験が始まるまでの待ち時間、何をすればよいか迷いますよね。この時間は、不安を煽るような詰め込み勉強は避けるのがベストです。
代わりにやっておきたいのが、自分が苦手なポイントだけをざっと確認し、暗記カードやメモ帳で軽く見直す程度にとどめ、深呼吸をして、身体と心を落ち着かせることです。
「今さら焦ってもしょうがない」と気持ちを切り替えることで、自然と落ち着きが戻ってきます。
試験中のペース配分を意識する
簿記2級の試験は時間との勝負でもあります。時間内にすべて解き終えるには、あらかじめ「時間の使い方」を意識した戦略を持っておくと安心です。
・難しい問題に時間をかけすぎない(3分で解けなければ次へ)
・計算ミスを防ぐために見直しの時間を10分は確保
最初から順番通りに解こうとせず、得意な問題を先に終わらせることで、心理的な安心感と時間の余裕が生まれます。
まとめ|簿記2級を受け直すのは大チャンス!合格を勝ち取ろう!!
簿記2級をもう一度受けると決めたなら、あとは行動あるのみです。
目的を明確にし、テキストを活かし、苦手をつぶしていく・・・その積み重ねが、確かな実力になります。
今回の記事で紹介した方法を、まずは一つでも実践してみてください。勉強法や心構えを変えるだけで、結果は大きく変わります。
再挑戦は、やり方次第で「最短の合格ルート」にもなります。あなたの努力が、実を結びますように。
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