損害保険募集人一般試験は、5年ごとに更新していかなくてはなりません。
損害保険の商品は、新しい保障や制度の改正などが時代に合わせて変化してきます。
損害保険募集人も同じように、新しい保障や制度などを時代に合わせて学んでいかなくてはなりません。
このように、損害保険募集人は損害保険の知識を絶やさないよう努めているのです。
今回は、損害保険募集人一般試験の更新ってどんなことをするのか?なぜ必要なのか?というお話をします。
損害保険募集人一般試験は5年更新型
損害保険募集人の一般試験は、5年更新になっています。
損害保険募集人の一般試験の更新は、車の免許更新のように講習を受ける形式ではありません。
初回に受けた一般試験と同じように一般試験を受け直していく形式になります。
えー!
更新試験って、ガッチリ試験なの?!
損害保険募集人の一般試験をすでに1回受かっているのに、何故、5年ごとに試験を受けて更新しなくてはならないの?
それはやはり、損害保険に関する知識を常に更新させ、損害保険をおすすめする際には、古い情報で誤った判断をお客様にさせてしまわないようにすることが一番ではないでしょうか。
過去の損害保険の保険金の支払い状況を見てみると、おのずと損害保険の必要性が感じられます。
意外と多い?!損害保険金の高額支払い!
一般社団法人 日本損害保険協会の統計によると、「風水害等による保険金の支払い」において、過去の保険金高額支払いは次のとおりです。
1位 平成3年台風19号 5,680億円
2位 平成16年台風18号 3,874億円
3位 平成26年2月雪害 3,224億円
直近では、2016年の台風10号で、北海道、東北地方で、支払件数16,365件、支払保険金額215億円(1件当たり 1,313,779 円)でした。
同年、新潟県糸魚川市における大規模火災では、支払件数142件、支払保険金額12億円(1件当たり 8,450,704円)でした。
保険料の支払いが高額として、上記の表にでていませんが、1件当たりにするとかなり高額です。
損害保険に加入していない場合を考えると不安になります。
過去10年(2006~2016年分)で高額の風水害等による保険金の支払いが、4件あります。
ということは、約2年に1回のペースで風水害等が日本のどこかで起こっているということになります。
次に、一般社団法人 日本損害保険協会の統計によると、「地震による保険金の支払い」において、過去の保険金高額支払いは次のとおりです。
1位 平成23年東北地方太平洋沖地震 12,749億円
2位 平成28年熊本地震 3,753億円
3位 平成7年兵庫県南部地震 783億円
直近では、2016年の鳥取県中部地震にかかる被害では、支払件数6,416件、支払保険金額46億円(1件当たり 716,957 円)でした。
同年、熊本地震にかかる被害では、支払件数247,048件、支払保険金額3,753億円(1件当たり 1,519,137円)でした。
過去10年(2006~2016年分)で高額の地震による保険金の支払いが13件あります。
ということは、毎年に1回以上のペースで日本のどこかで地震が起こっているということになります。
地震は意外と多いですね!
上記の表は、地震による高額保険金支払いの件数だけですから、他にも事案があるのかもしれません。
そう考えると、損害保険募集人の一般試験の更新が5年ごとに一般試験の再試験になるのも、必然なのかもしれませんね。
損保一般試験ってどんな試験?
一般社団法人 日本損害保険協会HPでは、損害保険募集人の一般試験の概要は次のように書かれています。
損保一般試験とは、保険募集にあたり保険商品に関する重要事項等を正確に説明するための知識を、損害保険募集人のみなさまが習得されているか確認するための試験です。
試験には、基礎単位と商品単位(自動車保険単位、火災保険単位、傷害疾病保険単位)があり、これから代理店登録または募集人届出をする方、および、既に代理店登録または募集人届出をしている方で、損害保険会社の承認を得た方が対象となります。
*自賠責保険のみ、原子力保険のみ、または海上・運送保険のみを取り扱う代理店の募集人は、受験は任意となります。
損保一般試験では、基礎単位に合格しなければ、代理店登録または募集人届出ができません。また、原則として、募集人は、取り扱う保険商品に応じた商品単位に合格しなければ、当該保険商品の取扱いができません。
損害保険募集人にとって、一般試験の基礎単位は必須で、商品単位は自分が取り扱う保険内容に応じて受けるかどうか決めても大丈夫ということですね。
私は、基礎単位と商品単位(自動車保険単位、火災保険単位、傷害疾病保険単位)をすでに持っていますので、更新試験はすべてになります。
ただし、基礎単位と商品単位(自動車保険単位、火災保険単位、傷害疾病保険単位)を受けた時期が違います。
というのも、損害保険募集人の一般試験が基礎単位と商品単位(自動車保険単位、火災保険単位、傷害疾病保険単位)の4単位をとらなくてはならなくなったのが、2011年10月からなのです。
・損保一般試験 (2011年10月~)
・大学課程専門コース試験(2012年7月~)
・大学課程コンサルティングコース試験(2014年6月~)
・会社別試験(※) (2001年4月~)
【旧教育制度】
・募集人試験 (2001年4月~2011年9月)
・商品専門試験・研修 (2008年11月~2011年9月)
・代理店専門試験(2001年4月~2012年1月)
・旧資格試験 (~2001年3月)
私が初めて損害保険募集人の資格を取得したのは、2010年12月でしたから「旧教育制度」の募集人試験でした。
「旧教育制度」の募集人試験は、「現行教育制度」の基礎単位と同じ位置づけでしたので、「現行教育制度」になったときに、商品単位(自動車保険単位、火災保険単位、傷害疾病保険単位)を受けました。
その後、5年ごとに更新しています。
テキスト付き?!損害保険募集人の一般試験形式!
損害保険募集人の一般試験は、CBTというコンピュータ試験によりおこなわれます。
さらに簡単にいうと、パソコンで問題が出されて回答していく試験です。
しかも一般試験の商品単位の試験は、画面の右側が試験問題で左側はテキストになってます。(※一般試験の基礎単位はテキストがついていません。)
テキストが横にある状態で試験をするんです!
これは、受からないとおかしいですよね。
というか、事前に勉強する意味はあるのでしょうか?
しかし、時間内に試験問題を終わらすためには、テキストのどこに何が書いてあるのか知っていないと、時間切れになります。
そもそも、損害保険募集人の一般試験の目的は、保険募集にあたり保険商品に関する重要事項等を正確に説明するための知識を、損害保険募集人のみなさまが習得されているか確認するための試験なので、本来、テキスト頼りにしていては意味がありません。
普段、損害保険のことを聞かれたときに、その場で簡単に回答できるかどうか?
または、ちょっと調べて確認して早めに回答できるかどうか?を問われる試験なのかもしれません。
詳しくは、こちらをご覧ください⇊
>>損害保険募集人一般試験に過去問はいらない!理由は試験形式にあり!!
損害保険募集人の試験概要は次のとおりです。
【試験詳細】
単位 |
試験時間 |
解答数 |
配点 |
合格基準 |
基礎単位 |
40分 |
50 |
各2点(100点満点) |
70点 |
自動車保険単位 |
40分 |
20 |
各5点(100点満点) |
70点 |
火災保険単位 |
40分 |
20 |
各5点(100点満点) |
70点 |
傷害疾病保険単位 |
40分 |
20 |
各5点(100点満点) |
70点 |
自動車保険、火災保険または傷害疾病保険について、商品説明(商品概要の説明を含みます。)、意向把握・意向確認または契約締結のいずれかを行う場合には、当該「商品単位」の受験が必要となります。
【受験手数料】
受験手数料は、「基礎単位」「商品単位」を問わず、1回の申込みで受験する単位数によって異なります。
単位数 |
受験手数料(税込) |
受験パターン |
1単位 |
1,900円 |
基礎単位のみ |
2単位 |
3,500円 |
基礎単位+自動車保険単位 |
3単位 |
3,700円 |
基礎単位+自動車保険単位+火災保険単位 |
4単位 |
3,900円 |
基礎単位+自動車保険単位+火災保険単位+傷害疾病保険単位 |
注意
①「1回の申込み」により申し込むことができる単位は、試験日が同一で、かつ、試験の時間帯が連続している単位に限られます。
②したがって、同一日であっても、試験の時間帯が連続していない場合には、「1回の申込み」で申し込むことができません。
③例えば、午前中に1単位、夕方に1単位を申し込む場合などは、「1回の申込み」とはなりません。
④2単位以上連続受験の場合、休憩時間はありませんのでご注意ください。
【試験日時】
月曜日~土曜日(年末年始休業期間ならびに祝日を除く)に受験が可能です。
具体的な開催日時は試験会場ごとに異なりますので、詳細は「空席照会」で確認してください。
なお、集合時刻の時間帯は下記のとおりです。
集合時刻 |
9時、 9時45分、 10時30分、 11時15分 |
12時、 12時45分、 13時30分、 14時15分 |
15時、 15時45分、 16時30分、 17時15分 |
18時、 18時45分、 19時30分、 20時15分 |
自分の都合にあわせていろんな試験の受け方があります。
私の場合は、商品単位である自動車保険単位、火災保険単位、傷害疾病保険単位の3つを午前中に休憩なしで、一気に受けてしまいます。
損害保険募集人一般試験の勉強方法は?
資格試験と言えば、テキストと問題集や過去問などが必要ですが、損害保険募集人の一般試験には、テキストはあっても問題集や過去問はありません。
損害保険募集人の一般試験の勉強方法は次のように行います。
②問題集は、「学習サイト」を利用します。
③過去問は、ありません。
基本は、学習サイトをしながら、教育テキストは学習サイトの補完に使うことになります。
【学習サイトとは?】
いつでも、どこでも学習できる環境の整備を図り、効果的・効率的な知識の習得を支援するため、学習サイトを提供しています。
学習サイトへのログイン情報(ID・パスワード)は、損保一般試験の教育テキストに掲載されていますので、教材入手後、ご利用ください。
なお、ログイン情報は、教育テキストの適用年度(学習期間:毎年4月~翌年6月)ごとに変わります。
コンテンツ
推奨ブラウザ
講義動画
練習問題
- PC:Internet Explorer11
- スマートフォン/タブレット:Safari、Chrome
模擬試験(*)
上記のうち、PCおよびタブレットのみ対応
*CBT本番環境の仕様は、CBT体験画面でご確認ください。
損害保険募集人の学習サイトは、教育テキストに書いてあるログイン情報(ID・パスワード)が必要です。
※2020年12月現在は、申込受付メールについてくるパスワードのみで受講できます。
まとめ|損害保険募集人の更新は5年ごと!時代に合わせた知識を持とう!!
損害保険募集人一般試験は、5年ごとに更新していかなくてはなりません。
損害保険募集人・・・損害保険の必要性を伝える人
一般試験・・・損害保険の商品に関する重要事項等を正確に説明する知識を身につける試験
損害保険の商品は、新しい保障や制度の改正などが時代に合わせて変化してきます。
損害保険募集人も同じように、新しい保障や制度などを時代に合わせて学んでいかなくてはなりません。
損害保険募集人の一般試験が5年更新で、講習とかではなく再試験になるのも納得いきますね。
このように、損害保険募集人は、損害保険の知識を身に付けていくのです。
むしろ、普段から損害保険募集人として日々学び、損害保険の必要性を伝えることができていれば、一般試験は恐れることはないのです。
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