「巡回監査士補の難易度はどのくらい?」「働きながらでも合格できる?」と不安に感じていませんか?
巡回監査士補は、直近の合格率が20%前後で、6科目すべてで70%以上の正答率が求められるため、簡単な試験とはいえません。しかし、科目合格制度があり、実務経験や税法の知識によっても感じる難易度は変わります。
私自身も税理士事務所で働きながら勉強し、約600時間・3年間かけて全科目に合格しました。
この記事では、巡回監査士補の合格率や難しいと感じる理由、実際にかかった勉強時間、私が実践した勉強方法を紹介します。試験の難易度を正しく理解し、自分に合った学習計画を立てて合格への一歩を踏み出しましょう。
巡回監査士補の難易度は高い?
巡回監査士補は、直近の合格率が20%前後で推移しているため、「難易度が高い資格なのでは?」と不安に感じる方もいるでしょう。
まずは、巡回監査士補の合格率や試験制度を確認しながら、どの程度の難易度なのか詳しく見ていきましょう。
直近5年間の合格率は20%前後
巡回監査士補の直近5年間の合格率は、令和3年度31.2%、令和4年度19.0%、令和5年度23.1%、令和6年度21.9%、令和7年度20.0%です(https://www.tkc.jp/tkcnf/jyunkaikansashi/)。
年度によって差はありますが、近年は20%前後で推移しています。そのため、合格率だけを見ると「かなり難しいのでは?」と不安になる方もいるでしょう。
しかし、合格率だけで自分にとっての難易度を判断するのはおすすめできません。試験科目や合格基準、これまでの実務経験なども含めて考えることが大切です。
6科目すべて70%以上で合格
巡回監査士補は、「職業倫理・巡回監査」「企業会計・経営助言」「所得税法」「法人税法」「消費税法」「相続税法」の6科目があります。
資格を取得するには、6科目すべてで70%以上の正答率を取らなければなりません。合計点で判断されるのではなく、それぞれの科目で合格基準を満たす必要がある点がポイントです。
得意科目で苦手科目をカバーすることができないため、苦手な分野を残さず、6科目をバランスよく勉強する必要があります。
科目合格制なので不合格科目だけ再受験できる
「6科目すべてに合格するのは大変そう」と感じるかもしれませんが、巡回監査士補には科目合格制度があります。
一度70%以上を取って合格した科目は、翌年度以降の試験では免除されます。そのため、1年ですべて合格できなかったとしても、翌年に6科目を最初から受け直す必要はありません。
私自身も一度ですべての科目に合格したわけではなく、3年間かけて全科目に合格しました。一発合格だけを目指すのではなく、複数年かけて取得する方法もあります。
実務経験や税法知識によって難易度は変わる
巡回監査士補の難易度は、受験する人の実務経験や税法の知識によっても変わります。
TKCでは巡回監査士補を「入所2年以内」の職員が目指す一つの目安としており、所得税・法人税・消費税・相続税など、会計事務所の仕事に必要な基礎知識が問われます。
そのため、税理士事務所で実務を経験している人は、仕事で学んだ知識を試験勉強に活かせるでしょう。一方、税法を初めて学ぶ人は、専門用語や計算方法を基礎から覚える必要があります。合格率だけではなく、自分の現在の知識や経験も踏まえて難易度を考えることが大切です。
巡回監査士補が難しいと感じる3つの理由
巡回監査士補は6科目あるだけでなく、税法を中心に幅広い知識を身につける必要があります。特に税理士事務所へ入所したばかりの方は、仕事で覚えることも多いなかで試験勉強を進めなければならず、負担を感じることもあるでしょう。
ここでは、私自身が実際に勉強した経験も踏まえながら、巡回監査士補を難しいと感じる主な理由を3つ紹介します。
税法4科目をまとめて勉強する必要がある
巡回監査士補では、所得税法・法人税法・消費税法・相続税法の4つの税法科目を勉強する必要があります。
税法ごとに課税の仕組みや計算方法、覚える内容が異なるため、税法を初めて学ぶ人は負担を感じやすいでしょう。特に税理士事務所へ入所したばかりの頃は、実務でまだ経験していない内容が試験に出てくることもあります。
一度にすべてを覚えようとするのではなく、例題集を繰り返し解きながら、それぞれの税法の基本的な考え方を少しずつ理解していくことが大切です。
法人税法など出題範囲が広い科目がある
巡回監査士補は、科目によって覚えなければならない内容が多いことも難しさの一つです。
例えば法人税法では、所得金額の計算だけでなく、減価償却・交際費・寄附金・欠損金・税額計算など、さまざまな内容を学びます。用語を覚えるだけではなく、それぞれのルールを理解して問題を解けるようにする必要があります。
私自身も法人税法には特に苦戦し、2年目の試験でも数点足りず不合格でした。範囲が広い科目ほど早めに取りかかり、苦手な部分を繰り返し復習することが大切だと感じています。
仕事をしながら勉強時間を確保する必要がある
巡回監査士補を受験する方の多くは、税理士事務所などで働きながら試験勉強を進めることになります。
仕事が終わってから勉強しようと思っても、残業や家事、育児などで予定どおりに時間を確保できない日もあるでしょう。私も仕事や家事をしながら勉強していたため、まとまった勉強時間を確保するのは簡単ではありませんでした。
だからこそ、平日の短い時間や休日をうまく活用し、少しずつ勉強を積み重ねることが大切です。試験直前に慌てないためにも、余裕を持って勉強を始めましょう。
【体験談】巡回監査士補の合格まで3年・約600時間かかった
私は税理士事務所で働きながら巡回監査士補を受験し、全科目に合格するまで3年かかりました。勉強時間は1年目が約300時間、2年目が約200時間、3年目が約100時間で、合計すると約600時間です。
一度ですべての科目に合格できたわけではありませんが、不合格になった科目を翌年以降も勉強し続け、最終的に全科目合格できました。
1年目|約300時間勉強して2科目不合格
1年目は、平日の夜10時頃から1時間ほど勉強し、朝や休憩時間なども利用して、合計約300時間勉強しました。
しかし、仕事をしながら6科目を勉強するのは想像以上に大変でした。特に法人税法は途中から勉強が追いつかなくなり、十分な対策ができないまま試験を迎えることに。結果は法人税法と相続税法の2科目が不合格でした。
「300時間も勉強したから大丈夫」ではなく、苦手科目まで計画的に勉強する必要があると実感した1年目でした。
2年目|約200時間勉強して法人税法が不合格
2年目は、1年目に不合格だった法人税法と相続税法の合格を目指して勉強しました。平日は2時間ほど勉強し、試験2か月前からは土曜日も図書館へ通い、約200時間の勉強時間を確保しました。
1年目より受験科目が少なくなった分、苦手な分野に時間をかけて取り組めるようになりました。しかし、相続税法には合格したものの、法人税法は数点足りず、再び不合格という結果に。
あと少しだったからこそ悔しく、「次こそは合格したい」という気持ちで3年目に挑みました。
3年目|約100時間勉強して全科目合格
3年目は、残っていた法人税法の合格を目指して約100時間勉強しました。すでに2年間勉強してきた知識があったため、最初からすべてを覚え直すのではなく、苦手な部分を中心に復習できたのは大きかったです。
過去2年間で理解が不十分だった部分や間違えやすい問題を繰り返し確認し、ようやく法人税法に合格。3年目で巡回監査士補の全科目に合格することができました。
一度で合格できなくても、科目合格を積み重ねながら勉強を続けることが、最終的な合格につながりました。
最も難しいと感じたのは法人税法
6科目の中で、私が最も難しいと感じたのは法人税法です。1年目に不合格となり、2年目も数点足りず、合格できたのは3年目でした。
法人税法は覚える内容が多く、問題を解くためには、それぞれのルールを理解したうえで計算できるようになる必要があります。私の場合、勉強時間を確保するだけでなく、苦手な問題を繰り返し解いて理解を深めることが必要でした。
ただし、難しく感じる科目は実務経験や得意分野によって異なります。苦手な科目が見つかったら、早めに時間を多く配分して対策することをおすすめします。
巡回監査士補に合格するために筆者が実践した勉強方法
巡回監査士補は試験範囲が広いため、短期間にまとめて勉強するよりも、早めに学習を始めて少しずつ知識を積み重ねることが大切です。
ここでは、私が実際に取り組んだ勉強方法を紹介します。
早めに勉強を始める
巡回監査士補は6科目あり、特に税法を初めて学ぶ人は覚えることが多いため、できるだけ早めに勉強を始めることをおすすめします。
私も1年目は約300時間勉強しましたが、法人税法まで十分に手が回らず、不合格になりました。この経験から、勉強時間の合計だけではなく、試験日から逆算して6科目を計画的に進めることが大切だと感じています。
最初から長時間勉強しようとせず、まずは毎日少しずつでも教材を開く習慣をつけ、試験直前に苦手科目が残らないように進めましょう。
例題集を繰り返し解く
私が巡回監査士補の勉強で中心にしていたのが、例題集を繰り返し解くことです。
最初からすべての問題を完璧に解けなくても問題ありません。まずは問題を解いてみて、分からなかったところは解説を確認し、もう一度自分で解いてみます。同じ問題に繰り返し取り組むことで、少しずつ解き方や考え方を覚えられるようになりました。
教材を次々に増やすよりも、まずは手元にある例題集を繰り返し解き、「自分で解答できる問題」を増やしていくことが大切です。
間違えた問題と苦手科目を重点的に復習する
すでに解ける問題を何度も繰り返すより、間違えた問題や理解があいまいな部分に時間を使うようにしました。
特に私が苦戦したのは法人税法です。1年目に不合格となり、2年目も数点足りなかったため、3年目はこれまで間違えた問題や苦手な部分を中心に復習しました。
勉強を進めていると、得意な問題の方が解きやすく、苦手な問題は後回しにしたくなります。しかし、合格するためには苦手分野を減らすことが重要です。間違えた問題には印をつけるなどして、優先的に解き直しましょう。
仕事・家事のスキマ時間を活用する
働きながら資格取得を目指す場合、毎日まとまった勉強時間を確保するのは簡単ではありません。私も仕事や家事があったため、夜だけでなく朝や休憩時間なども勉強に使っていました。
「今日は2時間取れないから勉強できない」と考えるのではなく、10分や15分でも問題を解いたり、前日に間違えたところを確認したりすると、勉強時間を積み重ねられます。
平日はスキマ時間を利用し、休日はまとまった時間を確保するなど、自分の生活に合わせて無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。
過去問で現在の実力を確認する
例題集である程度勉強が進んだら、公開されている試験問題にも挑戦して、現在の実力を確認してみましょう。
試験問題を解くことで、「覚えたつもりだったけれど解けない」「この科目はまだ理解が足りない」など、自分では気づかなかった弱点を見つけやすくなります。
大切なのは、点数だけを見て一喜一憂するのではなく、間違えた理由を確認することです。解けなかった問題は例題集や教材に戻って復習し、もう一度挑戦しましょう。本番まで「問題を解く→復習する」を繰り返すことで、苦手分野を減らしていけます。
巡回監査士補の難易度についてよくある質問
最後に、巡回監査士補の難易度についてよくある疑問をQ&A形式でまとめます。
簿記の知識だけでも合格を目指せるのか、税法初心者でも大丈夫なのか、一発合格できるのかなど、これから受験する方が気になるポイントを確認していきましょう。
Q1.簿記3級・2級レベルでも合格できる?
簿記3級・2級の知識があれば、会計分野の勉強には活かせますが、それだけで巡回監査士補の試験範囲をカバーできるわけではありません。
巡回監査士補では、所得税法・法人税法・消費税法・相続税法など、簿記では詳しく勉強しない税法の知識も必要になるためです。
私も簿記2級を取得していましたが、巡回監査士補では法人税法に苦戦しました。簿記の知識を土台にしながら、税法など初めて学ぶ分野を一つずつ身につけていくことが大切です。
Q2.税法初心者でも合格できる?
税法初心者でも、基礎から勉強を積み重ねれば合格を目指せます。ただし、所得税法・法人税法・消費税法・相続税法を学ぶため、初めて税法に触れる方は早めに勉強を始めた方がよいでしょう。
最初は専門用語や計算方法が分からず、難しく感じるかもしれません。しかし、例題集を繰り返し解き、分からない部分を一つずつ確認することで理解しやすくなります。
一度で覚えようとせず、問題演習と復習を繰り返しながら知識を定着させていきましょう。
Q3.一発合格は可能?
6科目すべてで合格基準を満たせれば、一度の受験で巡回監査士補に合格することは可能です。
ただし、試験範囲が広いため、「絶対に一発で合格しなければ」と焦る必要はありません。私自身も1年目は2科目、2年目は1科目が不合格となり、全科目に合格するまで3年かかりました。
巡回監査士補には科目合格制度があるため、一度合格した科目を積み重ねながら取得を目指せます。一発合格だけにこだわらず、自分のペースで勉強を続けることが大切です。
Q4.働きながらでも合格できる?
働きながらでも巡回監査士補の合格を目指せます。私自身も税理士事務所で働きながら勉強し、3年間かけて全科目に合格しました。
仕事をしながら勉強する場合に難しいのは、勉強時間の確保です。平日にまとまった時間を取れない場合は、朝や休憩時間などのスキマ時間を活用すると勉強を続けやすくなります。
休日だけにまとめて勉強するのではなく、短時間でもできるだけ毎日教材に触れ、自分の生活に無理なく組み込むことが合格につながります。
Q5.落ちたら6科目すべて受け直す?
巡回監査士補は科目合格制のため、一部の科目が不合格でも、翌年度に6科目すべてを受け直す必要はありません。一度合格した科目は免除され、不合格だった科目の合格を目指して勉強を続けられます。
私の場合、1年目は2科目が不合格でしたが、2年目は残った科目に集中して勉強できました。
一度の試験で全科目に合格できなくても、これまでの合格が無駄になるわけではありません。複数年かけて少しずつ全科目合格を目指すこともできます。
Q6.巡回監査士と巡回監査士補はどちらが難しい?
巡回監査士は、巡回監査士補よりも上位に位置づけられている資格です。そのため、段階としては巡回監査士補を取得した後、さらに専門的な知識を身につけて巡回監査士を目指す流れになります。
巡回監査士補は、会計・税法・巡回監査などの基礎知識を身につける段階と考えるとわかりやすいでしょう。
これから税理士事務所で必要な知識を身につけたい方は、まず巡回監査士補の取得を目標にし、基礎をしっかり固めることが大切です。
まとめ|巡回監査士補は簡単ではないが働きながら合格を目指せる
巡回監査士補は、直近の合格率が20%前後で、6科目すべてで70%以上の正答率が求められるため、決して簡単な資格ではありません。特に税法を初めて学ぶ方は、難しいと感じることもあるでしょう。
私自身も税理士事務所で働きながら約600時間勉強し、全科目に合格するまで3年かかりました。しかし、巡回監査士補には科目合格制度があるため、一度で合格できなくても、不合格だった科目を勉強して翌年再挑戦できます。
大切なのは、一発合格だけにこだわらず、早めに勉強を始め、例題集や過去問を繰り返しながら苦手分野を減らしていくことです。
仕事や家事で忙しい方も、スキマ時間を積み重ねながら、自分のペースで巡回監査士補の合格を目指していきましょう。

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